22日の紅白戦では、ネルシーニョ監督の激しいジェスチャーをまじえた声が練習場に響いた。見慣れたいつもながらの光景だが、田中英雄はこれまでとの違いを感じていた。
「監督の言い方がピリッとしたモノになっていると感じた。ここまでの3週間よりも雰囲気を作っていこうとしているのだと思う」
リーグ戦最終節を終え、4日だけオフをとってトレーニングはスタートした。どこよりも長く、どこよりも多く、誰にも負けまいと練習を積んできた。「そういう自信を選手たちに付けさせようとしている」と田中は受け止め、強い自負を心に刻んできた。
天皇杯準々決勝・浦和戦まで4日。リーグ戦最終節・浦和戦(2●5)で悔しい敗戦を喫して以降の1カ月、田中は「臥薪嘗胆」の心意気で練習に励んできた。「天皇杯のトーナメントは、どこが(上に)行ってもおかしくない」。近づく決戦のときを控え、神戸の戦うスピリットが研ぎ澄まされている。
(神戸担当 小野慶太)
2015/12/23 10:32