9日、武藤嘉紀がマインツでの入団会見を行った。最初の挨拶はドイツ語で。清々しい表情で、数多く集まったメディアの前で堂々としゃべりきった。
その全文を、ここに公開したい。
「私の名前は武藤です。今回マインツに来ることができてうれしく思っています。ドイツ語は難しいと聞いていますが、早く覚えてチームに溶け込みたいです。みなさんも応援よろしくお願いします(ここまでドイツ語)」
ーーFC東京のお別れセレモニーが終わってまだ少し。あらためてドイツでどんなプレーをしたいか?
「ドイツでプレーするようになって、得意のドリブルやスピードを生かしたプレーを心がけたい。ゴールに直結するような目に見える結果を出していきたいと思います」
ーーマインツについて何か知っていることは?
「ドイツに来る前にシンジオカザキ選手から聞いた。ファンやサポーターに愛されている温かいクラブで、チームメイトも素晴らしいメンバーで構成されているチームだと聞いています」
ーーこれだけ大規模な入団会見、マインツでは異例だが。
「これだけ大きなプレスカンファレンス非常にうれしく思うし、これだけ注目されていることも分かっています。こういうプレッシャーがあるのもサッカー選手としてやりがいがあるので、プレッシャーを楽しめるようにがんばりたい」
ーーシュミット監督とどんな戦術やポジションを期待されているか?
「まだ戦術に関しては詳しいことは聞かされていないですけど、攻守の切り替えが大事な戦術だと思うので、自分はサイドでプレーすると思うけど攻撃だけでなく守備でも貢献して、得点なりアシストなり増やしていきたいです」
ーードイツの第一印象は?
「まず空港から降りたときにメディアの方に来て頂いて、非常にうれしかったですし、ホテルでもドイツの人は親切。街も穏やかで非常に住み心地が良いのではと思いました」
ーーどれぐらい活躍すれば満足か? なぜスーツで会見に?
「明確な数字は決めていないですけど、取れるだけ得点は取りたいし、サイドの選手なのでアシストも増やしていきたい。まずはマインツが勝利するために自分の力を出すこと。それにともなって自分の結果をついてくればいい。
スーツに関してはこれだけ多くの人達が来るので、自分としても誠意を見せたかったし、
新たな挑戦に望むので自分もスーツを選びました」
ーー昨日初練習。球際のすごさなど感じたことは?
「やはり日本とは違って、どこから足が出てくるか分からない。球際の強い選手が多いし、ドイツの新たな屈強なDFと戦うにあたって、学ばないといけないこともある。そういう相手と対戦するために努力していきたい」
ーー移籍して通訳が同席していない。ご自身の意思なのか、クラブの判断なのか?
「いまは来たばかりなので、そこについてはよく理解できていない。後々話していきたい」
ーーブンデスリーガへのイメージは?
「世界で最も素晴らしいリーグの一つだと思っているし、そこで対戦する選手も世界に名だたる選手。そういう選手と対戦することで自分自身の成長にもつながるし、自分の足りないこともわかることになる。成長もそうですけど、早く一流のプレーヤーと試合をしたい気持ちでいっぱいです」
ーードイツに来たサッカー人生における目的と将来は?
「ブンデスリーガに来て、ここでしっかり活躍して世界的なプレーヤーになりたいと思う。マインツという素晴らしいクラブの一員になって、昨日練習に参加してチームメートの素晴らしさや街全体の雰囲気を感じて、ここに身を置くと決めたことに間違いはなかったとあらためて実感しました」
ーー移籍の際にチェルシーなどいくつかのクラブからオファー。マインツに決めた決め手は? オカザキからアドバイスは?
「チェルシーからもオファーを頂いて、マインツからも頂いた。マインツというクラブが一番自分を必要としてくれていた。その熱意があったし、わざわざ東京まで一日8時間の滞在のために自分に会いに来てもらって、うれしかった。本当に自分を必要としてくれているのだなということを感じられたのが、マインツに決めた理由です。
岡崎選手からはとにかく思い切ってプレーしろと言われました」
ーーすでに練習に参加していますが、弱点に感じたところは?
「そうですね、正直まだ1日なので自分の足りないところ、通用するところは判断できない。体格的に他の選手が優っているので、そこをどう打破していくか。体の使い方だったりフィジカルでの対応はしっかりと頭の中に置いて行きたいと思います」
ーープレミアリーグに魅力がなかったのか? それともチェルシーというクラブは自分に早いと感じた?
「そうですね、プレミアリーグに関しては非常に素晴らしいリーグ。おっしゃられた通り、まだ自分がチェルシーでプレーするには早いと思いましたし、それなりの実力もまだない。いまは焦ることなくしっかりと成長してから、そういうチームに行きたいと思います」
ーーお手本になる選手は?
「FC東京では今年、去年センターFWでプレーしていた。そのとき意識していたのは、バルセロナのすスアレス選手。前からハードワークして、攻守に動きところは自分も見習わないといけないところだと思いました」
ーー対戦したい選手は?
「どこと試合するにしても初めての経験。香川真司選手のいるドルトムントやバイエルン・ミュンヘンと戦うのは非常に楽しみです」
ーーFC東京では自然体のプレーで成長、成功してきた。ドイツでは野心的に振る舞うのか?
「普段野心はあまり表に出さないけど、実はひっそりと心にある。ここで結果を残すことが、世界的な選手人なる一番の近道。自然体もそうですけど、チームの戦術をしっかり頭にいれつつ、大きな選手になるという野心も持ってドイツでプレーしていきたい」
(取材・西川 結城)
(FC東京担当 西川結城)
2015/07/09 21:28