FC東京のFW武藤嘉紀が、ドイツ1部(ブンデスリーガ)のマインツへ移籍することが確定的となった。
21日付けのドイツ・キッカー誌は、「移籍金約300万ユーロ、契約期間は2019年まで」と報じた。4月下旬に日本を訪れたマインツのハイデル・ゼネラルマネジャー(GM)が、武藤本人とFC東京の立石敬之GMらと直接面会し、そこで条件面について話し合われた。
武藤は3月初旬に獲得オファーが届いたイングランド・プレミアリーグの名門チェルシーにはすでに断りを入れたが、そのほかにもドイツやオーストリアなど複数クラブからオファーや獲得の打診を受けていた。そのため、さまざまな可能性を探っていたが、熟慮した結果、マインツへの移籍に前向きな姿勢を示したという。
ドイツでの報道を受けて、21日には東京・小平のFC東京練習場で立石GMが取材に応じ、「まだ正式には(移籍に)合意していないが、最終段階」と話した。さらに「最後は武藤本人の決断。(両クラブと武藤の)三者が合意して初めて移籍は成り立つ。武藤も整理できてきているので、近いうちに発表できると思う」と、近日中に正式発表となる運びだ。
マインツは現在、日本代表FW岡崎慎司の移籍でも注目され、岡崎にはプレミアリーグのレスター・シティや同じブンデスリーガのボルシアMGなどからオファーが届いている。岡崎が残留した場合は武藤との“競演”が実現するが、現時点ではその可能性は低そうだ。
武藤はマインツではサイドアタッカーのポジションでプレーすることになりそうだ。現在ウイングでプレーするパブロ・デ・ブラシスについて、ハイデルGMは「むしろFWタイプ」と語っている。岡崎が移籍した場合は彼がストライカーの位置に入り、武藤がサイドで起用されることが濃厚だ。ハイデルGMのこの発言からも、武藤が来季レギュラーとしてウイングでプレーする上で障害がないことを示唆している。
現在、腰の痛みを抱えて満身創痍の状態ながらも、得点を重ねる武藤。結果を出し続ける若きエースはこの夏、ドイツの地で新たな戦いに挑んでいく。
(FC東京担当 西川結城)
2015/05/22 04:00