現在明治安田J1で4位のFC東京は、7試合を終えた段階で4失点。これは首位の浦和とともにリーグ最少失点となっている。さらに今季はここまで1-0での勝利が3試合。昨季に就任したマッシモ・フィッカデンティ監督がチームに堅守を植え付けて以降、チーム内では「失点ゼロが約束事」(太田宏介)となっている。
前節・山形戦も苦しい時間帯を耐えながら、1-0で勝利。その試合で90分間、相手の攻撃に体を張って守り抜いた吉本一謙が、その価値についてこう話した。
「やっぱりDFにとって1-0は本当に気持ちが良い勝ち方。もちろんゴールは2点でも3点でも取ってくれた方がいい。ただ前の選手は1点取ればヒーローになれるかもしれないけど、後ろの選手は一つのミスが失点につながって命取りになる。だから失点ゼロで抑えることは常に考えているし、それが1点差での勝利ならなおさら意味があると思う」
イタリア語で“ウノ・ゼロ(ウノは1の意味)”と呼ばれる美学。守備的なサッカーが根付くカルチョの国ならではの美意識だが、イタリア人指揮官に率いられるFC東京にも、同じ価値観が備わりつつある。
(FC東京担当 西川結城)
2015/04/28 07:00