今節・東京V戦と言えば――。
遡ること14年5月3日、改修前、J2最後の国立決戦となった第11節・東京V戦。難波宏明は、開始1分に左肩を亜脱臼しながらプレー続行を志願し、決勝ゴールまで奪った。そのことを問うと、難波は「国立最後のゴールゲッターです」と笑みを見せつつ、当時の心境を振り返る。
「あのときは連戦で、すぐ次に試合があった。ここで僕が終わっちゃうと(交代で出る選手が)連戦になるから、僕が行けるところまで行こうと」
あまりの痛みから次節が無理だと分かった難波は、“次の試合は代わりの選手に少しでもフレッシュな状態で出てほしい”という思い一つでピッチに立ち続ける。負傷後は左肩を使えず「ほとんどミスっていたし、(相手を背負っても)すぐに倒れていたし…」と、いまでも反省の言葉で振り返るが、魂の一発でチームを勝利に導いたのは紛れもなく背番号24だった。
4連敗で迎える今節・東京V戦。得点力不足にあえぐ中、ここまでチームの全得点を叩き出している魂の男が、あのときのように攻撃をけん引してくれるに違いない。
(岐阜担当 村本裕太)
2015/04/10 07:00