1-0で勝利した第11節・東京V戦。改修前、J2最後の国立で決勝ゴールを奪ったのは魂の男・難波宏明だった。
開始早々、相手GKと衝突した難波は、左肩を亜脱臼するアクシデントに見舞われていた。「ずっと痛くて、ボールを全然収められなかった。チームのみんなに悪いから、交代も考えていた」。しかしそれでも、「連戦中だし、次の千葉戦は絶対に無理だろうなという気持ちがあったので、行けるところまで行く」とプレー続行を志願。結局、最後までピッチで戦い続けていた。
その中で生まれた、魂のヘディング弾。シュートは相手選手の頭に当たっており、ラモス瑠偉監督や木谷公亮には冗談で「オウンゴールだ」と否定されていたそうだが、公式記録には確かに『40’ 岐阜 24難波宏明』の文字が記されている。そしてそれは、6日の甲府×浦和がスコアレスドローに終わったことで、Jリーグ国立最後のゴールにも変わった。
ヴェルディ川崎マイヤーのスーパーミドルにはじまり、数々のゴラッソを生んできた国立。負傷しながら放った男の泥臭い一発もまた、聖地の最後にふさわしい魂のゴールだった。
(岐阜担当 村本裕太)
2014/05/09 18:16