「ナベさん、これ見てくださいよ!」
練習後、大きな声を出しながら渡邉将基に近づいてきたのが新井純平。新井が指差しているのは、自らの右足スネと足首のあたり。よく見ると、スネには血がにじむ傷があり、その傷の少し下のソックスには直径2センチほどの穴が開いている。新井に話を聞くと、今日の練習で行なわれたミニゲーム中に渡邉のタックルを受けてできたものらしい。
「もう、殺人タックルですよ!」
詰め寄る新井に渡邉は冷静にこう答えた。
「おおごとにならないように、ちゃんと手加減はしているのだよ!」
渡邉の気迫に満ちたタックルは、新井の「取られてなるものか」という力強いキープと突破があればこそのもの。そうして生まれた傷と穴は実はチーム内にある空気の象徴でもある。二人に限らず、全選手が最終戦での必勝を目指す強い気持ちで練習に臨み、この日のグラウンドには熱気が充満していたのだった。横浜FCとの最終戦、期待して良さそうだ。
(北九州担当 島田徹)
2014/11/19 16:30