前節、長崎はシュート11本を放ち、ほとんどの時間帯で主導権を握って試合を進めながらも0-1で熊本戦に惜敗した。オフ明けの練習場はどんな雰囲気だろうかと思いながら足を運んだが、チームから発される熱量に圧倒された。息つく暇のないほどハードな練習に選手全員が肩で息をしていた。
高木琢也監督からは「もっと激しく!もっとタイトに!」との声が飛び、走りこみの後には球際でのぶつかり合いが3時間も続いた。現在、チームの合言葉は「残り4つ全て取る」だ。
だが、山口貴弘は言う。「4つ取るのは取りたいが正直、今の自分には愛媛戦しか見えていない」と。いかなる状況であれ、目の前の戦いの為に魂を研ぎ澄まし、己のベストを尽くす。山口のみなぎる決意を前にした時、悲壮感に満ちているのでは邪推した自らを恥じた。現在、練習場には最後まで自分たちのサッカーを貫き通すという凛とした気高さがある
(長崎担当 植木修平)
2014/10/29 19:46