6連敗中のチームを苦境から救い出す。誰よりも強くそのことを願っていた男の下に、ボールはこぼれてきた。
前節の札幌戦の最終盤のことだ。山形辰徳のインターセプトを起点に、湯澤洋介がシュートを放つ。DFに当たったボールは廣瀬浩二の目の前に転がってきた。力まず、丁寧に。コースを狙ったシュートは、しかし相手DFに阻止されてしまう。
「欲を言えば、(湯澤が)僕にパスを出してくれていれば、選択肢が増えたかもしれない。でも、相手もロケットスライディングをしてきた。あの場面は、もう少しうまくやらないといけなかった」
勝ち点1を勝ち点3に格上げできた可能性もあっただけに、後悔の念が消えることはない。だが、リーグ戦は続く。下を向いている暇はない。次節は強豪・磐田と激突する。その一戦に出場すれば、廣瀬はJ2通算300試合出場を達成する。前回はGKとの1対1を決め損なった。記念となる試合では、「一回のチャンスで仕留めたい」。
(栃木担当 大塚秀毅)
2014/08/27 15:55