FC東京のFW渡邉千真は18日、昨シーズンから続いた不振からの巻き返しを誓った。前節・アウェイ鳥栖戦(16日・ベアスタ)で、昨年8月31日の広島戦以来となる今季リーグ初得点を決めた。昨季のチーム得点王は、長い、長いトンネルを抜け出し、安堵(あんど)の表情を浮かべた。
1得点1アシストで首位・鳥栖撃破の立役者となった2日後、それまで重たかった口は、少しだけ滑らかに動くようになっていた。
「キラーぶりを発揮できたかな。そんなに意識してないけどね」
冗談交じりにそう言って笑うと、緩んだ口元を引き締めて言った。
「正直、いろいろ考えることはあった。でも、もう過去は振り返らず、やっていくしかない」
ポジションを失い、ベンチを温め続ける時間が続いた。だが、雌伏のときを過ごした背番号「9」は「ここからでしょ」と言い、復活ののろしを上げる。
「どんどん点取らないと」
固まっていた言葉は、弾むように動き始めた。出場記録に記した「1」が、ストライカーの本能を解き放つ。(馬場康平)
(BLOGOLA編集部)
2014/08/18 22:32