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W杯を楽しんでいるよ

――話題を現在のルーカスに変えましょう。昨季の引退後、ブラジルに帰国していまは何をしているのですか?

「今年はFC東京のエンバイシャドール（クラブ親善大使）だから、クラブにも関わっているけど、僕はここブラジルで不動産業のようなこともしている。もちろんサッカーはいまだに大好きだけど、別の世界にも挑戦しているんだ。いまはまだ、引退してゆっくりと過ごしているけど、将来的には監督になるのか、代理人になるのかとかも視野に入れていくつもりさ」

――現在、W杯が開催されています。母国で見るW杯はどうですか?

「楽しんでいるよ。日本の初戦（コートジボワール戦）もTVの前で応援していたんだけど、残念だったね。前半に関しては戦術的にも良かったし、日本のパフォーマンスは悪くなかったと思う。後半は少し、守勢に回った感があったね。前半はほぼ完璧と言える出来だっただけに、もう少し後半も攻めの姿勢を見せても良かったのかなって思うよ」

――2戦目のギリシャ戦はナタウまで応援に行くと聞きました。

「僕だけじゃなく家族全員で行くんだ。8カ月の赤ん坊まで連れて行くつもりさ（笑）。10年も日本でプレーして、日本のサッカー界の成長を見てきたからすごく日本代表にもシンパシーを感じるんだ。それにコンノやモリゲ（森重真人）、ヤット、それにゴンちゃん（権田修一）らはかつてのチームメートだからね」

――ブラジル代表は優勝候補の最右翼ですが、どう見ていますか?

「ブラジルは非常に強力な選手がそろっている。ホームのサポーターも後押しになるはずだ。それにブラジルにはネイマールがいるからね。彼が好調ならすなわちそれはセレソンが好調ということ」

――決勝のカードと優勝チームを予想してください。

「僕としてはブラジル対アルゼンチンのカードで、ブラジルが優勝してほしい。これは予想と言うよりは僕の願望だね（笑）」

――最後に日本のサポーターにメッセージを。

「日本で過ごした10年間に感謝しているし、とりわけFC東京とガンバ大阪のサポーターからの気持ちに感謝しているよ。いまでも両チームの成績は気になるし、頑張ってほしいね。サポーターには本当に感謝の気持ちしかないね」

ナタウのスタジアムで日本代表を応援するルーカスファミリー

ルーカス（Lucas Severino）。
1979年1月3日生まれ、35歳。ブラジル出身。183cm/77kg。ボタフォゴ→アトレチコ・パラナエンセ（以上ブラジル）→レンヌ（フランス）→クルゼイロ→コリンチャンス（以上ブラジル）→レンヌを経て2004年FC東京に加入。08年G大阪、11年アトレチコ・パラナエンセ（ブラジル）を経て同年、FC東京に復帰。J1通算268試合出場90得点、J2通算23試合出場9得点。献身的な守備と得点力を武器にJリーグで愛されたブラジル人選手。昨季限りで現役を引退した。