空気を読む男の出番だ――。
FC東京の羽生直剛は、24日、ナビスコカップグループリーグ第5節・G大阪戦で先発出場する。
チームは21日の第4節・清水戦に2-3で敗れ、決勝トーナメント進出に向けてあとがない状況だ。マッシモ・フィッカデンティ監督は、試合前日の非公開練習後に「何選手かは入れ替えなければならない」と話し、ターンオーバーを示唆していた。そして、指揮官はその先発メンバーの中に、羽生の名前を書き加えた。
羽生は前節の敗戦を受け、「ウォーミングアップからチームを盛り上げたい。ピッチの中では空気を読んでプレーしたい」と自らの役割について語った。さらに、こうも言った。
「オレは、試合に出たら全力で試合を楽しむよ。もっと周りの選手たちにも野心を持ってほしい」
今季、甲府への期限付き移籍から復帰した羽生は、ベンチを温める時間が続く。だが、チーム最年長選手は、「とにかく常に練習で全力を尽くしたいし、一日も休みたくない。走れなくなったと思われたくない」と、毎日のトレーニングに取り組み続けた。たとえベンチ外になろうとも、若手に先鞭をつけて居残り練習を盛り立ててきた。そうした真摯な姿勢が報われた形だ。
「考えて走る」と形容される運動量と、的確な状況判断は少しもさび付いてはいない。背番号『22』がピッチに立つことで、清水戦で失ったチームの機能美は取り戻せるはずだ。2年ぶりの決勝T進出に向け、空気を読む男の出番だ。(馬場 康平)
(BLOGOLA編集部)
2014/05/24 15:13