チームの最後尾にいるGKは、シュートを止めることだけが仕事なわけではない。どこに相手選手が余っているかをDFの選手に伝え、チームのバランスを整える声を出す。たとえシュートを打たれたとしても、相手のシュートコースを限定することが、セービングの確率を大きく左右するからだ。
前節、広島を無失点に抑えた鹿島。リーグ初先発の植田直通が入った最終ラインを曽ケ端準は次のように見ていた。
「ボランチのポジショニングが良かった。(柴崎)岳と(小笠原)満男が気を利かせたポジションを取ってくれた。CBは(佐藤)寿人を2対1で見られていたと思う。状況的にマンツーマンになることはなかった」
曽ケ端を目がけてシュートが飛ぶ場面はいくつかあったが、シュートコースはいずれも正面を突いたモノ。DFはしっかりとシュートコースを限定することができていた。
「サイドに速くてテクニックのある選手もいたけれど、センタリングのときにCBは良いポジションを取れていた。チームとしてうまく対応できたと思う」
若い守備陣に注目が集まる中、最後尾に大ベテランが控えている意味は大きい。
(鹿島担当 田中滋)
2014/04/28 18:08