永田充の表情が一瞬にしてほころんだ。那須大亮の負傷によって、今節・鳥栖戦で先発出場する可能性も出てきた永田。日本代表FW豊田陽平との空中戦については「思い切って飛びたい。宙に」など、いつもどおり独特のキャラクターを発揮していたが、そんなときにまるで図ったように通りかかったのが山田暢久氏だった。
今年から強化部に籍を置き、裏方として仕事をしている山田氏だが、選手時代から“ニコイチ”と言ってもいいほどプライベートを含めて仲が良かった永田を見ると、声はかけずも、冷やかすような表情で通り過ぎていく。
山田氏の姿を見た永田は、「今年の最初はヤマさんがいなくて寂しかったけど、ときどき顔を出してくれるので勇気付けられる」と笑顔を見せた。さらに「顔を見るだけで安心する。いまも一瞬で安心した」。まるで永田の顔は、親を見付けた子供のようだった。
(浦和担当 菊地正典)
2014/03/06 04:35