無茶ぶり、受け付けました!(http://blog.reysol.co.jp/koho/87.php)
4日午後、柏の選手有志が行っている招待事業「BtoJシート」の引き渡しのために、桐畑和繁選手と田中順也選手が柏市立柏第二中学校へ出向きました。
※「BtoJシート」とは、ホームタウンの中学サッカー部を毎試合日立台へ招待する事業のこと。「BtoJ」は、部活からJリーグへの略称です。発起人は北嶋秀朗選手(現熊本)と平山智規U-12コーチ。試合後、選手がサポーターにあいさつをして場内一周したあと、写真撮影をしているのが「BtoJシート」に招待された中学生たちです。
その柏第二中学校は、山中亮輔選手の母校でもあり、サッカー部も盛ん。どのくらい盛んかと言うと、顧問の先生とともに、外部コーチが指導しているほど。
その外部コーチ、「イーグルスの中でも相当うまかった」(桐畑選手)という、なんと桐畑選手の中学校時代の同級生でした。「おいおい、マジかよ!」。思わぬ旧友との再会に喜んだ桐畑選手は、冒頭のあいさつからエンジン全開で中学生に語りかけます。
「柏に住んでいたから、こういう機会が得られたということの意味を考えてほしい。みんなが住んでいる柏という街に、柏レイソルというチームがある。その誇りを持って、サッカーを頑張ってください!そう、ネクストイノベーションだ!未来を切り開くんだよ!」
素晴らしいスピーチに、ぐいぐい引き込まれた中学生たち。
もちろん、教員免許も持っている田中順也選手も話上手。
「僕たちの試合を見て、少しでも何かを感じてもらえたら良いな、と思います!」
最初は控えめだった中学生たちも、壁を作らずに話しかけていく2選手のおかげで、質疑応答の時間ではどんどん積極的になっていきました。
--どういう練習をしたら、プロになれますか?
田中「僕の場合、ひたすらシュート練習です。ゴールの端っこを狙って、左足で毎日シュートを打ちまくってました」
桐畑「とにかく、練習をするだけ。春休み、夏休み、冬休み・・・。他のみんなが遊んじゃうときも、そうしないでサッカーをする。みんなもしているか?」
--心掛けていることは?
田中「勝たないと話にならない。勝つために、どういう準備をして、どういうプレーをしたらいいか、ずっと考えています」
桐畑「オレは柏の中学校出身。その時から、もちろん柏レイソルのことを知っていたし、見ていた。そのゴールを守れることって、うれしくてしょうがないんだ。試合や大会の時は、みんなも緊張するだろ?それと一緒。うれしいし、緊張する。・・・・・・・緊張しない方法、知っていたら教えてくれよ!試合では、もちろん勝ちたいし、良いプレーをすることをイメージしています」
--サッカーをしていて、どんなことが楽しいですか?
桐畑「みんなの中でも、良いプレーをしたヤツがいたら、『アイツすげー!』ってなるでしょ。それの、すごいバージョンだよ。うれしいのは、みんなが喜んでくれること」
田中「FWだから、ゴールを取ること。(ここで桐畑選手から『真面目かよ』とツッコミが入る)スタジアムに来る、15,000人の人が全員、自分のゴールに喜んでくれる。テレビにも出られるし、新聞でも取り上げてくれる。楽しいことが、職業になる。その責任もあるけど、もちろん達成感もあります」
質疑応答のあとは、即席サイン会に。たとえルーズリーフ1枚でも、「ぜってー捨てるなよ」。キーパーグローブなら「ちゃんと洗った方が良いぞ」。1人ひとり、話しかけながら親身に対応する選手たち。そこで、またもサブライズがありました。
「僕、小学生の時に、職業体験でレイソルの練習を見に行った時に、桐畑選手からキーパーグローブをもらったことがあります」
キャプテンで、2年生のGK、岡村海くんです。聞くと、レイソルの練習に訪れた際、GKである桐畑選手に話しかけられ、GKをやっていることを告げたら、身につけていたキーパーグローブをプレゼントされたのだとか。
「やっとちゃんとお礼が言て、本当に良かったです!」
岡村くんもこの偶然を喜んでいました。「うわ、それ、覚えている!」それはもちろん、桐畑選手も同じ。
その岡村くんは今回のBtoJシート贈呈の機会について、「単刀直入に言うと、桐畑選手が面白かったです。盛り上げてくれました。質問にもしっかり応えてくれて、ありがたかった。プロになりたいとあらためて思った」。
顧問の鴇巣寿(ときのす ひさし)さんも、「カレカがいたころから好きです」という、柏出身で柏レイソルのファンなのだそう。
「サッカーを好きな子たちばかりですし、テレビで見ている選手がきてくれると、サッカーを続けたい気持ちになります。子どもたちには、すごく刺激になる。この子たち、夕方まで練習していても、そのあと急いで夜の国立の試合を見に行くくらい、レイソルが好き。ほとんどの子が、試合を見に行っています。手の届かないところにいる人が、目の前にいるんですから。今回の経験をさせてくれたことは、本当にありがたいですね」
と話していました。
自分たちがしているのは夢を与えられる職業であるということを、田中選手も桐畑選手も、この訪問事業で再度実感したことでしょう。
「オレはこれから10 km走る! みんなも練習頑張れ!」
桐畑選手はそう言い残し、田中選手とともにクラブハウスへ向かいました。
(柏担当 田中直希)
2012/10/05 17:15