気になる点は、前田、栗原勇蔵、そして中村憲剛というこれまで名を連ねた国内組が外れたこと。前田に関してザッケローニ監督は「少しコンディションが落ちているので、上がってくるまで待つことにした」と語った。会見中も、今回外れた選手たちに対してはフォローの意味も含めて、「ベテランの選手や常連組のことを私はリスペクトしている。ただ彼らはすでに計算できる選手。新しい選手は試さないと分からない」といった趣旨の言葉を何度も口にしていた。
ここからは今回の東アジア杯組、またはそれ以外の選手たちとの厳しい生存競争が本格化していく。今回のメンバー発表は、経験豊富な実力者でも決して安泰ではない――ということを示唆する出来事だった。
これまでのザッケローニ監督の選考、起用志向を考慮すると、やはり慎重な印象が強かったが、東アジア杯で国内組が見せた躍動が、彼の琴線に触れたことは今回の大幅に入れ替わったメンバー表を見ても明らかだ。何より最後はチームとして一体となり、優勝を勝ち取ったという貴重な経験を経たことが、指揮官の選手たちへの信頼感を高めたに違いない。
そして、その指揮官が心から信じている常連組との融合が、始まろうとしている。
「大切なことは、新たな選手たちがこれまでの選手たちと3日間だけだが一緒に過ごすということ。われわれはこの3年で堅い結束で結ばれている。そこに加わってほしい」。
難敵・ウルグアイ相手に、今回マイナーチェンジを施した日本がぶつかる。はたして、新たな化学反応が生まれるか。この一戦、見所の多さは、計り知れない。(西川 結城)
(BLOGOLA編集部)
2013/08/09 11:00