「サンパウロFCという相手を見たときに複雑な心境がありました。キックオフの笛が吹かれた瞬間にスイッチが切り替わりました」。サンパウロFCのOBであるトニーニョ・セレーゾ監督は、スルガ銀行チャンピオンシップを迎える複雑な心境をこのように表現した。
しかし、監督以上に昂ぶる気持ちを抑えるのに必死だったのが高井蘭童通訳だ。サンパウロ出身の高井通訳は幼い頃から生粋のサンパウロFCサポーター。この試合を迎えるにあたり、周囲には「鹿島の練習着の下にサンパウロのユニホームを着ているんじゃないのか?」と冷やかされるほどだった。
心のクラブとの対戦中は、いつもどおり監督の指示をピッチに送り続けたが、勝利を挙げるとうれしさのあまり涙腺が崩壊。しばらくその場から立ち上がれないほど号泣した。しかし、記者会見に現れたときはすでに冷静さを取り戻し、特別な一戦だったことを微塵も感じさせない見事な通訳ぶりを披露していた。
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鹿島の選手名鑑(クラブ公式サイト)
(鹿島担当 田中滋)
2013/08/08 21:22