平成25年度8月5日
全国高等学校総合体育大会男子サッカー準々決勝
「富山第一高 0-2 流通経済大付柏高」
第2試合はユース年代の最高峰リーグである高円宮杯プレミアリーグに属する強豪校同士の対戦となった。北信越を代表する伝統校・富山第一と対峙したのは、優勝候補筆頭と目され、その前評判どおりに最激戦区を勝ち抜いてきた流通経済大付柏高。この試合でもワンランク上の実力を見せ付けることになった。
今大会の流経を引っ張るのは、大会得点王を狙う勢いでゴールを量産しているFW立花歩夢。チームメートの誰に聞いても「変なヤツです」という答えが返ってくる異色のストライカーは、ここに来て急成長。以前は「シュートに行くまではすごいけど、そのあとは…」(MF青木亮太)という選手だったというが、「調子が良い」と本人が胸を張る今大会にその気配は皆無。この試合でも、9分に青木のパスから抜け出すと、鮮やかなシュートを決めて先制点を奪取。さらに前半終了間際の35分にはドリブルで中央を独走し、慌てて戻ったDFのオウンゴールを誘発し、勝負を決定付けた。
立花の特長は、まず10〜20mくらいの距離での速さだ。DFを置き去りにする加速力は圧巻で「前を向いたら、お前はまず仕掛けろ」という本田裕一郎監督の教えのままに鋭い突破を見せ続けている。猛者揃いの流経にあっても、その野生児のような身体能力はピカイチだ。また、集合写真の撮影中に、乱入した美女(?)を呼び込んで爆笑を誘ったり(下写真)、「ウチのムードメーカーなんですよ」(青木)という不思議なキャラクターも魅力の一つ。プレーはまったく違うが、先輩の比嘉祐介(横浜FM)を彷彿とさせるものがある。
ちなみに、注目の進路は「あんまり考えてないんですよ」と衝撃の一言。「海外に行きたい。南米かヨーロッパ」と言いつつ、特にあてはないとのこと。Jクラブについては「(オファーが)あったら考えます」と、前向きに(?)語ってくれた。
(photo: Atsushi Tokumaru)
(EL GOLAZO 川端暁彦)
2013/08/05 20:08