お疲れさまです。
ホーム連戦で勝ち点6を目指していたはずが最初の栃木戦でスコアレスドロー、そして、より重要になった町田戦では0-1の敗戦。ホーム連戦で積んだ勝点は僅かに1にとどまりました。正直なところ、採点に関しては全員に4.5をつけようと考えていました。落としてはいけない試合を落としてしまう。勝負事ですから常に勝てるということはないのですが、その勝負弱さに物足りなさを感じます。さすがにバランスを考えて採点は修正しましたがそれでも基準はだいぶ下げさせてもらいました。
試合後に竹内彬選手が
「町田の方が明らかに球際の勝負は勝っていた。戦術とかそういう部分以前にもっとサッカーにおける根本的なところをシビアにやらないと。チーム力の差が、そんなにあるわけじゃないし、個々の能力で上回っていたとしても相手の執念や気持ちで埋められるくらいの差でしかないと思う。それを上回る気持ちの強さを自分たちも見せないと今日みたいな試合になってしまうのは当然だと思う」
と話していたのは印象的でした。J2に降格して以来、いわゆる勝負所である後半戦で失速を見せてしまうのは過去2年、これくらいの時期からです。個人的に印象に残っている試合でも2010年のアウェイ・福岡戦、ホーム・甲府戦、2011年のホーム・鳥栖戦、ホーム・徳島戦などは技術や戦術以上に執念や執着心といったところの差で勝ちを逃した試合ではなかったかなと思います。
サポーターの方々はもちろん、勝つところを見に来ているし、応援して選手たちを鼓舞するためにスタジアムに来ているのだと思います。J2・3年目ながらそれでも熱い応援をホームでもアウェイでも見せてくれていると思います。町田戦、敗戦の中でどれだけサポーターの心に訴えかけるプレーをできた選手がいたのか。どのくらいの選手が泥臭くボールを追いかけ、1つ1つのプレーに気持ちを込めたのか。そういうところは竹内選手のコメントを聞いて、あらためて感じさせられました。
今季の千葉のゴールはきれいな形のものが大半を占める一方、こぼれ球に反応したり、泥臭く体ごと押し込むようなゴールはありません。その点については木山監督も以前から課題として挙げています。ただ、そういったものはやはりクラブ全体の雰囲気が作り上げていくものではないでしょうか。昇格、J2優勝という目標に対してどれだけシビアに考えられているのか。山口智選手は千葉にやってきた際、
「現場だけじゃなくて会社、サポーターも含めて一体感を持ってできれば楽しいと思います」
と話していました。“細部に魂は宿る”とよく言われますが逆に意識をしっかり持たなければ細部にその有無が表れるということでもあると思います。監督も代わり、選手も多くの数が入れ替わりながら、またも同じ問題と直面しているということは、どこに問題があるかは少し考えれば答えは見えてくるのではないでしょうか。
あくまで、“考えれば”にはなりますが。もちろん、その当事者がですけどね。
今季、クラブが掲げたスローガンが、どういったものだったのか。どういう言葉だったのかを今一度、見つめ直し考える必要がある。そういうことを感じさせられる試合だったと思います。
長くなりました。それでは。
(千葉担当 杉山文宣)
2012/08/15 17:44