五輪期間中、そして残留争いということで、盛り上がりが心配された今回の大阪ダービーでしたが、試合展開を含め、実に熱い試合になりました。(豪雨の中、試合を見続けたサポーターの方は大変な思いをされたと思いますが…)。結果は2-2でしたが、C大阪としては悪くない結果だったと思います。もちろん、一時は2-0でリードしていた展開を思えば、勝ち切りたい試合ではありました。ですが、ぶっつけ本番で挑んだ中盤の構成など、いろいろと不確定要素も強かったことを考えれば、負けなかったことは“良し”とすべきでしょう。
その中盤ですが、枝村匠馬選手、やってくれました。見事な“ガンバキラー”ぶりでした。「ガンバはポゼッションにたけているけど、その分、空くところ、崩せるところもある」と試合前に話していましたが、“ガンバの穴”を見つける嗅覚に優れているのでしょう。
また、スタメンでヘベルチ選手を起用してきたことは驚きでした。何せ、ほとんどレギュラー組と合わせたことはないですから。そんな中、枝村選手と途中でポジションを変更したり、周囲とうまく絡んで1点目を演出するなど、起用にやっていた印象はありました。シンプリシオ選手と横山知伸選手のボランチコンビも、前半は良かったですね。2人が縦関係になり、役割がハッキリしていました。後半、ズルズルと下がってガンバに中盤を支配されたことは課題が残りましたが、「後半は引いて守ろうという作戦だったが、逆に回され過ぎてしまった。」(藤本康太選手)と、チームとしての戦い方に課題が残った結果でした。
そして、この試合は、この人の活躍でしょう。児玉新選手です。前回のブロゴラの締めで、“1人また、特別な思いを込めて遠征バスに乗り込んで行った選手がいました”と書きましたが、それは児玉選手でした。EG本紙でコラムを書かせてもらったので、詳しくはそちらをお読みいただければと思いますが、試合後は、「最初で最後のチャンスだと思って試合に臨んだ」(児玉選手)という、深い言葉もありました。「最初で最後」どころか、これからもガシガシ試合に絡んで行きそうな活躍を見せてくれましたね。
今週は、ロンドン五輪組の3人もチームに戻り、週末のジュビロ磐田戦に向けた先発争いも激しさを増して行きそうです。大阪ダービーで得た収穫を生かして、上昇気流に乗って行きたいところですね。
(C大阪担当 小田尚史)
2012/08/14 14:24