ネット・バイアーノ選手や渡部博文選手のコラム、そして柏対FC東京のマッチレポートを担当しました。
では、スペースの都合上、書けなかった渡部選手のことを少し。
「ここしかない。この先のサッカー人生に関わると思っていた」という強い決意で試合に臨んでいたのが、慣れない左サイドバックで先発出場した渡部選手でした。
しかも、対峙(たいじ)するのは、好調の石川直宏選手。
「大丈夫かな」
そんな周囲の心配をよそに、高い集中力を維持し、渡部選手は石川選手をしっかりと止めてみせました。
「『サイドバックもありだな』と思われるのと、『もうサイドバックはないな』と思われるのでは全く違う。それって、スゴい大事なことなんです」
彼がそう話したように、あの試合を見た方は、「渡部選手のサイドバックもあり」と、思われたのではないでしょうか。
そして、渡部選手は、オフ明け、14日の練習でも積極的なプレーを見せ続けています。
「試合に出られたから、練習でも、守備範囲や攻撃に出て行く範囲が広がった気がします」
あのFC東京戦は、渡部選手の未来を少し明るく照らす効果があったようです。
もう1つ。FC東京戦で、リーグ戦としては3試合ぶりの先発を果たしたのが、ボランチの茨田陽生選手です。彼も仕事をやりきりました。最後は、見ている方が心配するほどフラフラ状態になり、交代を余儀なくされましたが、全体を通してみれば、及第点、いやそれ以上の出来だったのではないでしょうか。
「もっと良いパスを出したいですし、前半はスタメンをキープしたい強い気持ちが悪い方向にいった感じ。勝利にも、つなげられませんでした。でも、後半は少しは持ち直せたのかなと思います」
本人もそう振り返っています。
また、フラフラになったところを見透かされて交代したことについては、「足はまだいける状態だったけど、あれだけフラフラになってしまうとダメですね。疲れても、体がブレないように体幹を鍛える必要があります(笑)」と、冗談を交えながら話してくれました。
渡部選手と茨田選手、それに7日の試合では藤田優人選手が、久々の先発に奮起して気持ちを出したプレーを見せてくれています。
今、柏はフィールドプレーヤーが少ない状態ですが、サブの選手を含めた良い循環は、選手間でできているように映ります。
(柏担当 田中直希)
2012/08/14 22:45