FC町田ゼルビアは5日(日)、北九州・本城陸上競技場でJ2第27節・ギラヴァンツ北九州戦を戦います。3日・4日発売の『EL GOLAZO』(エルゴラ)では紙幅の関係上、町田視点のマッチプレビューを掲載できなかったため、今回のブロゴラで掲載します(写真/徳丸 篤史)。
「北九州はボールを大事にするチームという印象。われわれと似ているチームだからこそ難しいゲームになると思う。J2というカテゴリーでヴェルディや京都などつなぐサッカーを展開するチームはあるが、北九州もその中に入って来る」。
オズワルド・アルディレス監督が北九州の印象をそう語ったように、選手たちも一様に北九州のことを「つないでくるいいチーム」(勝又慶典選手)と評価しています。そんな“つなぐチーム”という北九州の特長を逆手に取れば、パスワークのミスを突き、カウンターをしかける攻撃の形が有効です。今週の練習では陣形を一度セットしてプレッシャーをかける守備練習に重点を置いたことから、相手を引き寄せて奪いどころを定め、奪ったボールを素早くスペースへと展開。そこを起点に攻撃をしかける形をチームはイメージしているのかもしれません。
前回対戦(第12節・0●1)ではコリン・マーシャル選手の横パスを奪われたところから始まったカウンターでPKを献上し、町田は敗れました。同じスタイルを持つチーム同士の対戦だけに、前回対戦での失点の形が北九州攻略の一つのモデルケースとなります。そのため、攻撃時のリスク管理がポイントになることは言うまでもありません。
裏を返せば、町田としても“つなぎ”に固執してミスからカウンターを食らうことは禁物。“自滅”していては16試合ぶりの勝利はおぼつかず、特に試合の序盤は効果的にロングボールを織り交ぜながら、相手の出方をうかがうようなしたたかな戦い方も求められます。
平本一樹選手ら攻撃陣は、「強引に点を取りに行く」(平本選手)と語るなど、“ゴールへの飢餓感”を胸に本城へと乗り込みます。77分に決勝点が生まれた前回対戦と同様に、拮抗した試合展開となれば、前節・京都戦でゴールを決めた北井佑季選手や、「拮抗した試合を決定付けられるように形を残したい」と語る主将・勝又選手など、“ジョーカー”たちの活躍に勝敗の行方は左右されます。
遠い九州の地で、町田は16試合ぶりの歓喜なるか――。J2第27節・北九州vs町田は本城陸上競技場で18時キックオフ!
■オズワルド アルディレス監督コメント
「パスをつなぐ、似たようなチーム同士の対戦ということで難しい試合になると思う。守備は試合を重ねるごとに安定してきているし、それが一つの生命線となってくるだろう。守備が安定することで攻撃陣にもメリットが出てくるのではないか。いまの攻撃陣はもう一歩が足りない。例えばシュートや、シュートの前のパスなど、最後の部分の精度が足りない」
■FW 25 平本 一樹選手コメント
「北九州はつなぐ意識が浸透していて、GKもビルドアップに参加してポゼッションしてくる。うまくボールを取れればいいし、回されるとしんどいかなと。まずは失点をしないように。相手がつないでくるので、その過程でボールを奪えればチャンスになると思う」
■FW 7 勝又 慶典選手コメント
「これまでは(途中出場で)流れを変えているだけなので形を残したい。そのためには気持ちを強く持っていかないといけない。北九州はつないでくるいいチーム。だからこそやりがいはある」
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【TOPIC】
※8月3日はオズワルド・アルディレス監督の60回目の誕生日でした。還暦にあたる年齢となったアルディレス監督は、「60年間の人生で最もうれしかった出来事」を記者陣から問われると、「もしかしたら最初の子供が生まれたときかもしれません」と回答。サッカーでは「アルゼンチン代表での1978年W杯優勝」(アルゼンチン大会)とのことです。練習後には選手会やコーチングスタッフからバースデーケーキが、そして報道陣からは誕生日プレゼントが手渡され、終始ご満悦でした(写真)。先月末には長男の家族、そして二人の孫が来日しており、その件についてコメントする指揮官はおじいちゃんの顔をしていたとか!?
(町田担当 郡司聡)
2012/08/04 15:00