2日、日本代表は6日に行われるロシアW杯アジア最終予選・イラク戦(埼玉)に向けた合宿2日目の練習を行った。
現在、ドルトムントで出番が減少している香川真司は、この日帰国すると空港から練習場に直行。チームの面々と合流すると笑顔を見せ、トレーニングが始まってからも思い詰めた表情はなく、終始明るくボールを蹴り続けた。練習後に取材に応じた際も、苦しい現状を冷静に語っていった。
「ドルトムントに関しては、まだ試合が多いし、これから。いまはチームにおいては我慢。自分自身の調子が悪いわけではなくて、それ以上に新しく入った選手と結果を残している選手がいるので、彼らが試合に出るのは当たり前。その競争に勝つために、日々やるしかない。まだ始まったばかり。何も悲観する必要はない」
2012-13シーズンから3年間プレーしたマンチェスターU(イングランド)でも、なかなか出場機会に恵まれなかった経験を保つ。当時も補足トレーニングでコンディションを維持したが、今回も練習の質と量を重要視している。
「ドルトムントは基本1週間に2試合あって、練習の負荷を上げたくても上げられない。ただ、現状はあまり(試合出場の)チャンスがないと感じたので、今回もしっかりトレーニングしてきた。こんなに試合をやっていないのは初めてなので、なんとも言えない。だからしっかり練習をして、準備して、あとは気持ちをどれだけ前向きに持っていくか。そこは何より一番徹底することだと思っています」
UAE戦の敗北、そして自身も低調な出来となった先月。しかし、今回の香川は何度も「結果を出す。この2試合で勝つだけ」と自分に言い聞かせるように連呼し、前を向く。
「あらためて最終予選はタフだと感じた。前回(の予選)のスタート(2012年6月)は3連戦を2勝1分。今回は1勝1敗で厳しいスタートになった。でもまだ8試合ある。この2試合をまずは勝つのみ。それ以外のことはないので、何もネガティブに考える必要はない。海外組も試合に出ていない選手が多くて、すごくネガティブに捉えられがちだけど、僕たちはしっかり結果で証明するだけ。代表はW杯に行くことが目標。そこへの思いを持ち続けていれば、必ず勝てる」
いつも以上に強い思いを表に出した香川。どこか悩める姿が際立っていた先月だったが、そんな周囲の印象を払しょくするためにはピッチで躍動するしかない。そのことを、香川が一番理解している。
文:西川結城(エル・ゴラッソ日本代表担当)
(BLOGOLA編集部)
2016/10/03 20:59