6月のキリンカップ以来、4カ月ぶりに日本代表に復帰したGK川島永嗣(メツ/フランス)が、豊富な経験を生かしてチームを支える思いを語った。
先月29日に行われた代表発表会見で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は川島の招集理由をこう語った。
「エイジ(川島)はグループの中では特別な存在で、発言力もある。チームに良いスピリットをもたらせる。リーダーで経験もあり、厳しい戦いの中では彼のような存在感が必要になってくる。この2試合は、今までよりもメンタルを強調していかないといけない。そのためにエイジを入れた」
ある意味、プレー機会は与えないことを明言したような趣旨にも聞こえるが、川島は指揮官から与えられた役割をあくまで前向きに捉えている。
「監督からは今回呼ばれたことへのメッセージを受け取った。それを受けて、このキャンプを過ごしていく。先月の最終予選2試合も結果をチェックしていた。UAEに負けたときは自分もショックだった。これまで最終予選を経験してきた分、選手の痛みも背負うものの大きさも理解できる。いま大切なことは、一人ひとりが自信を持って、輝きを取り戻して戦うこと」
熱い思いを語る川島は、持ち前の語学力を生かし、ハリルホジッチ監督ともフランス語で直接話すことができる。もちろんこれまでの代表でともに戦ってきた仲間も数多くいる。チーム最年長の自分が、いまできること。それは、6年前、南アフリカW杯の直前に正GKのポジションを奪った際に見た、先輩GKたちの振る舞いと重なる。
「僕は(川口)能活さん、ナラさん(楢崎正剛)という偉大な先輩の姿や行動を見てきた。ういまでも僕は彼らに追い付きたいと思っている。いまの立場になって、あらためて二人の存在の大きさを感じる。チームに対して、また新しい役割ができるかもしれない。先人に学んで、できることをやっていきたい」
もちろんプレーヤーとしてピッチに立つ意欲を簡単に失うほど、このベテランGKは軟ではない。しかし、常にポジティブな男が代表に帰って来た。先輩GKの最高の成功サンプルを持つ川島が、代表に好影響を与えていく。
文:西川結城(エルゴラッソ日本代表担当)
(BLOGOLA編集部)
2016/10/03 20:58