日本代表のMF清武弘嗣が、3日に行われるキリンカップ・ブルガリア戦での先発に名乗りを上げた。
愛知県豊田市内で練習を行っている代表だが、前日に続いて31日も左ひざを痛めているFW本田圭佑がホテルでの調整となった。依然、練習に合流する時期は分からず、ブルガリア戦の欠場も現実味を帯びてきた。
そこで本田の代わりに出番を得そうな選手が、MF清武弘嗣やFW小林悠といった攻撃陣。特に清武は、先日のメンバー発表会見でもヴァイッド・ハリルホジッチ監督が本田や香川真司と並んで高く評価していた選手だけに、今大会も注目が集まる。
清武は本田の不在について「圭佑くんがすごく重要な選手なのは間違いない。でもそういう選手がいないからチームが崩れるのではいけない。穴を埋めるのではなく、出た選手が特長を生かしてプレーすれば良い」と語る。不動の存在・本田の欠場は、普段先発の出番が与えられない選手たちにとっては大きなチャンス。代表としてもチームの層を厚くするためにも、貴重な機会と捉えられる。
そんな中、清武はある選手とのプレーを熱望した。ハリルホジッチ監督も会見で共存について言及した、香川である。
「基本的に同じプレーイメージを持っているのは、香川真司くん。パスが出るところ、パスを出すところをお互いが分かっている。一緒に出られる機会は貴重。だからこそ、そういう試合で結果を出したい」
普段ハリルジャパンの基本布陣となっている[4-2-3-1]ではトップ下のポジションは一つのみで、香川と清武は競争関係にある。一方、ブルガリア戦で本田が欠場となれば、右サイドのアタッカーの位置に清武が入る可能性もある。さらには[4-3-3]に布陣を変え、二人がインサイドハーフとしてコンビを組むことも考えられる。
いずれにしても、共存となれば守備面での不安は出てくる。そこに関しては、清武も強く意識している。
「守備意識を高めていくことは、ハリル監督(ハリルホジッチ)になってから常に言われている。ゾーンディフェンスは頭を使ってできるけど、1対1の場面、デュエル(球際での争い)は日頃からやっていかないといけない。今日の練習でもそこは言われた。そこができれば、真司くんと一緒に出られる」
元C大阪のMFコンビが、日本の攻撃をけん引するシーンは出てくるのか。指揮官から信頼を得つつある清武が、ピッチの上で結果を出し、レギュラー争いに名乗りを上げる。
文:西川結城(日本代表担当) 写真:六川則夫
(BLOGOLA編集部)
2016/05/31 21:39