お疲れさまです。
連日の更新で食傷気味かもしれませんが、9日も西谷の練習場での小ネタを拾ってきましたのでご紹介したいと思います。
■結局はいつも通りが一番
今季はケガの繰り返しでなかなか思うように出場機会を得られなかった永井雄一郎選手。しかし、シーズン終盤に来て復帰し、ここ2試合は途中出場での貴重なジョーカー役として勝利に貢献しています。そんな永井選手ですが最終節を前にしても自然体。
「レッズのときのいろいろな経験のおかげかなって思うところはあるし、結局は動じないことが大きいんだなって感じたんですよ。例えば、ナビスコカップの決勝で鹿島に負けた時。あの時は初タイトルが懸かっていてベンチ含めてみんな、ガチガチになり過ぎていた。その次の年も決勝に行ったんですけど、その時は『え?こんなにリラックスしていていいの?』っていうくらいの雰囲気だった。結局、何かが懸かってる試合だからって、いきなり、できなかったことができるようになる、わけじゃない。いつも通りを出すことの方が重要なんですよ。最終節も点を取らなきゃいけないですけど、そこを意識し過ぎて自分中心のプレーになるのは嫌なので。いつも通り、いつも通りですよ」
と、実に落ち着いた様子で、いつも通りの重要性を教えてくれました。さすがに数多くの大舞台を経験している永井選手。最終節も「いつも通り」を表現してくれると思います。
最終節を前にしても普段通りの永井選手
■最後くらいは…
夏場以降、ずっとキレキレの状態を持続しているのが野崎陽介選手。チャンスにも多く絡んでおり、今や攻撃においては欠かすことのできない存在でもあります。しかし、本人も「そこまでは行けてんのに…」と話すように決定機には絡みながら、ちょっと自身のゴールからは遠ざかってしまっています。
そんな野崎選手に対しては山口監督がゴールだけが入らないことをネタにしょっちゅうイジっております。野崎選手本人も「めっちゃ言われるんですよ」と以前、教えてくれました。
そんな野崎選手ですが最終節について
「ヒーロー?狙ってますよ!最後くらいはゴール決めて監督に『やっと、決めたか』って言わせたい(笑)決めたら監督に抱きつきに行きます」
と力強く宣言していました。監督のイジりからの卒業は実現するのか。果たして…
■職人はマイペース
別記事ではシュナイダー選手のことを紹介しましたが、同じくJ1の舞台に立てば初出場になるのが高地系治選手。大宮東高校卒業後、ブラジルに渡り複数のクラブでプレーした後にJリーグの舞台に立った、珍しい経歴の持ち主でもあります。2001年、日本で最初のクラブとなった東京VがJ1でしたが高地選手自身の出場はなく、今季ここまでで積み上げた282試合の出場は全てJ2での記録。シュナイダー選手同様、J1への思い入れは強いのかと思いきや
「いや、それは別にそこまで…」
と、意外な答えが。その理由を尋ねると
「J1でやりたい気持ちもあるけど結果的にそうなればいいな、ってぐらい。今はチームのために、しっかりやることしか考えていない。上のカテゴリーだろうと下のカテゴリーだろうと大事なのは、そこで、しっかりとやることだと思う。自分は試合に出ることが成長だと思っているから、今は今いる場所で自分の仕事をするということしか考えていない」
と、話してくれました。職人かたぎで独特の雰囲気を持っている高地選手ですがやっぱり考え方も独特です。実際にJ1でプレーしたら心境の変化もあるのか…。気になるところなので記者としてはJ1でプレーする高地選手が見たいです。
しかしながら、シュナイダー選手に話を聞いている際、ちょうど通りかかった高地選手。シュナイダー選手が「系治が仕事をやってくれると思うよ」と高地選手に聞こえるように話すと高地選手も
「全部、(おいしいところ)持ってくよ」
とさらり。最終節も背番号6のレフティに期待しましょう
職人レフティ・高地選手
■潜水
今日、シュナイダー選手に話を伺っていたときのこと。シュナイダー選手が行っているあるルーティンのことを教えてくれました。そのルーティンとはプールでの潜水。練習後に近くのプールに行き、潜水するそうです。シュナイダー選手によれば
「心肺機能が鍛えられて疲れにくくなる」
という効果があるそうでシュナイダー選手は68メートルというのが自己最高記録なのだとか。そんなシュナイダー選手に誘われて同じく潜水を始めたのが村井泰希選手。シュナイダー選手によれば始めて間もないながら、すでに50メートルを超える記録を出しているとのこと。シュナイダー選手は
「始めてすぐのくせに一気に記録を伸ばしてね。何か悔しいし、追い付かれたくないから自分も記録を伸ばさないと」
と、ポジション争いだけでなく、潜水でも村井選手との競争意識満載。ただ、潜水を始めてからの村井選手について
「潜水を始めてからキーパートレーニングでも機敏に動けるようになってる気がするし、粘って止めるシーンも増えてる気がする。効果あるんじゃないですか。ポジティブに考えときましょう」
と、後輩の成長にも言及していました。村井選手が追いつく日は来るのでしょうか
■息子のために
終盤に来て、好調を持続しているのがカイオ選手。そんなカイオ選手の原動力はやはり、今年1月に誕生した長男のカゥオくん。カゥオくんが生まれてからの自身の変化について
「早く帰るようになった(笑)」
と、話すカイオですが、「生まれる前から早かったやん」とツッコんでおきます。まぁ、それはカイオ自身も言っていたように「冗談」なのですが。
「サッカーに対するモチベーションが大きくなったし、責任が増した」
と、キリッとした表情であらためて話してくれました。今のカイオの目標は
「息子にはボクのことを誇りに思ってもらいたいし、そのためにも頑張らないといけない。彼が大きくなるまでサッカー選手としてプレーして誇りに思えるような父親であることを見せたい。だから頑張らないといけないですね」
なのだそうです。子供の話をしていると、うれしそうに右腕に彫っているタトゥーを見せてくれました。カゥオくんの両手形と誕生日が刻んであります。ゴールを決めると右腕にキスをしているのは、このためなんですね。カイオ自身も2009年にC大阪で昇格を経験していますが、自身二度目の昇格達成となるか。2ケタゴールも目標だと話していただけに勝利を呼び込むゴールを期待したいと思います。
カイオ選手のタトゥー
だいぶ長くなってしまいました。長過ぎて申し訳ないですが、小ネタ集、楽しんでもらえたら幸いです。自販機にコーヒーを買いに行った際、たまたま帰宅するところの佐藤謙介選手とばったり。ちょっと話したのですが
「別に楽観的とかっていうわけじゃなく、『自分たちは昇格できるんだ』みたいな空気はあるんですよね。うちにいるみんなが昇格できるって信じてる。全然、疑ってないんですよ。何か、すごいっすよね」
と、話していました。その空気は取材させてもらっていても感じます。最下位から這(は)い上がってきたからこそ、でしょうか。最終節、どうなるのか楽しみです。
それでは。
(横浜FC担当 杉山文宣)
2012/11/10 09:24