京都戦はプレーオフ進出へ「ラストチャンス」とも言える一戦でしたが、結果は1-2の逆転負け。ミックスゾーンでは、ほとんどの選手が同じような言葉を口にしていました。それも質問に対しての答えではなく自発的に。
「(雰囲気が)落ちてしまう」
これは菊岡選手の言葉ですが、田中選手しかり、西澤選手しかり。誰もが、追加点を奪えなかったこと以上に「失点の後」を嘆いていました。“点を取り返そう”ではなく“追い付かれてしまった”という後ろ向きの雰囲気が、プレーに、さらなる失点に、そして逆転負けという形に表れてしまいました。対して、「この頃、練習試合を含めて早い時間帯に失点してしまうことが続いていた」(大木監督)京都は7分に失点を喫しながら、「慌てずにやろう」(工藤選手)と、逆転まで持っていくだけの強さがありました。
相手を押し込みながら追加点が奪えない。不用意なミスから失点を喫する。1つの失点で落ち込んでしまう。今季何度も見られた“悪癖”に加えて、監督の退席処分、キャプテンの退場までも重なって出てしまいました。精神面の未熟さすべてが京都戦という大一番で表面化してしまったような気がします。そのあたり、もちろん主審の笛にも触れつつ、本紙のマッチレポートでは「栃木に欠ける芯の強さ」と題して書かせていただきました。J1昇格を狙うには、何が起こっても動じないぐらいの強さが必要です。
とはいえ、まだ昇格のともしびが消えたわけではありません。松田監督、そしてキャプテン・パウリーニョ選手のいない次節・福岡戦で、チームとしての“意地”を見たいです。もう、失うものはないのですから。
(栃木担当 村本裕太)
2012/10/10 15:09