前節・新潟戦はスコアレスドローに終わりました。「勝点3を取りに行った」(小川慶治朗選手)試合だけに、悔しさは残っていそうですが、久方ぶりの勝点1。特に、アグレッシブな守備という神戸のストロングポイントを再確認し、実践できたことは大きな収穫だったようです。
田中英雄選手は、「勝ちたかったというのはありますけど、失点ゼロで行けたことと、ある程度、自分たちで話したことを表現できたというか、具体化できた。まだまだもっとやれると思いますけど、それが一番大きかったですね」
パク・カンジョ選手も、「僕は久しぶりに入りましたけど、みんな守備の部分では良くなってるって言ってました。前から行って取れる位置が高い、それが良くなったって。そこは続けていくことが大事ですね」
前々節・C大阪戦の後、先発組で話したことは“神戸らしさ”をしっかり表現して戦うこと。明確に持ったテーマをビッグスワンで体現できたことは、連敗に沈んだチームに「ふっきれた」(小川選手)マインドを呼び起こすことにも、つながったようです。ただ、同時に課題も浮き彫りになったのも事実です。
その辺のところを踏まえつつ、オフ明けの9日、西野監督に話を聞きました。
「全体でボール奪取するためのハードワークという意味ではやり続けられた。自分たちの良い時間帯というか、ダウンしない時間は90分間、続けられた。みんなゴールに向かう姿勢とか、ハードワークできる力というのは、継続してやれてると思う。ただ、緊迫したゲームの中で、最終的なところで同じようなパワーではなく、いろんな要素が伴ってこないと得点には(至らない)。大胆にフィニッシュを取るとか、意外性とか、リスタートとかも含めて攻撃のチャンスが膨らまなかったというのはあります。でも、本当に得点だけなんで、だけなんで、とは言ってもそこがサッカーで一番難しいところ。オフェンスの選手だけじゃなく、全体で強く意識していく必要があるし、そういうことも強調しながらこの(リーグ戦中断の)2週間、高められればと思います」
新潟戦の反省点はやはり、得点ということになるようです。
「かみ合ってないとは思わないですし、点が取れない取れない、取りに行かないといけない、というのが強くなってくると、やっぱりどうしても裏腹なところを突かれたりする。サッカーは本当に(得点を)取れ出したら取れる。ただ、取れなくなったら取れないし、そういう意欲、意識がだんだん薄れてきたりということになっていく。チーム全体がダウンしてるわけじゃないし、戦えていると思う。でもサッカーはゴールがあって、失点を防いで、結果があるわけなんで。(中断期間のトレーニングでは)相手はナビスコも天皇杯もあるわけで、そういう厳しいゲームを戦っていくわけだし、当然、われわれもトレーニングだけとはいえ、しっかり入っていかないといけない。逆にダメージのある選手は、しっかりと回復するための有効な時間でもあるし。本当にうまく時間を使って、チーム力を挙げていくためのことを、しっかり考えなきゃいけない」
ポイントは、この中断期間をいかに有効活用できるか。
「残り6試合、最後のラストスパートに全力で行けるように、この2週間を有意義に使えたら、というポジティブシンキングです」(田中英雄選手)
「気持ちの入った練習をやれば、おのずと質も上がってくる。集中を切らさずに、試合を想定してやりたいです」(小川慶治朗選手)
新潟戦のスコアレスドローは、ネガティブに陥りそうなメンタルを、フラットな状態に戻すことができた試合だったのかもしれません。残り6試合は、取り戻した“神戸らしさ”をベースに、これまで積み上げたものに自信を持ってトライすることが大切になりそうです。
終盤戦へのトレーニングがスタートしています。
(神戸担当 小野慶太)
2012/10/10 15:15