平成25年7月25日(木)
adidas CUP日本クラブユース選手権(U-18)1次ラウンド第1日
「大宮アルディージャユース 0-5 清水エスパルスユース」
第2試合は意外な大差となった。大宮の西脇徹也監督が「清水さんの前線のタレントはちょっとスキを見せたらやられてしまう怖さがあった」と肩を落とす敗戦に。縦1本からセンターFWの北川航也に抜け出されて、GKとの1対1を決められた先制点はその典型例だろう。CKからも安い失点を許してしまい、前半で0-3と、勝負はほぼ決してしまった。後半にも北川らに2点を追加された大宮は、まさかの大敗スタートとなった。「あれを最初からやってほしかった」という得意のポゼッションプレーからチャレンジしていく様子が見られたのは、4失点目以降のこと。その攻勢も最後の局面で精度を欠いて、ゴールという形で結実することはなかった。
とはいえ、大榎克己監督は「今ひとつの内容」と渋い表情だった。大宮にボールを支配されていた時間帯もあり、必ずしも意図どおりに試合を運べなかったからだろう。シュート7本で5得点というのは、“決定力”の賜物とも言える。そして、それを可能にする個の育成こそが大榎監督の求めるものだ。「代表を観ても分かるように、サッカーは最後、個のところですから」と。サッカーはチャンスの数やシュートの数を競うスポーツではないのだから。
2得点の北川はまさにそうした考え方の象徴だろう。「点を取ることに関してはアイツがNo.1。シュートにしても、ゴール前での落ち着きにしても抜けている」と認める。本人も「FWの仕事はまず点を取ること」とストライカーのマインドを持つ。もちろん、まだ2年生で、欠点も見え隠れする試合だった。だが、簡単に教えられない明確なストロングポイントがあるというのは、それ以上に大切なことである。
なお、試合内容について問われたときは渋い表情を浮かべていた大榎監督だが、チーム状態そのものについては「相当、上向いてきているよ」とニヤリ。「だいぶレベルアップしてきた。サポートの距離感が良くなっているし、勝つことで自信も付いてきている」と手ごたえを感じている様子だったことは最後に付記しておこう。
大会は28日までグループリーグ戦を行い、29日から決勝トーナメントに入る。準決勝は8月2日、決勝は同3日、神奈川県横浜市のニッパツ三ツ沢陸上競技場及び球技場にて開催される。
(写真:星智徳)
(EL GOLAZO 川端暁彦)
2013/07/25 20:31