生え抜きルーキー・後藤優介選手のHOYO大分への期限付き移籍が発表になりました。おとなしくて人見知りなくせに変に毒舌という個性的なキャラで、そんな後藤選手を見守ることが記者のグラウンド通いの楽しみのひとつだっただけに、彼がいなくなるのは本当にさみしい限りです。
HOYOから評価され、移籍を提案されたのは3日前。違う環境で経験を積めるからと即決したとのこと。「HOYOには経験豊富な実力派のFWがそろっているけど、ポジションを奪っていきたい」と、相変わらず弱々しく小さな声なのに意欲的。社会人チームなので練習は毎日19時からと生活も一変しますが、「去年までユースの練習は夜だったから」と平気な様子。むしろ日中は何をして過ごすのかが気になります。普段はこんなにおとなしいのに、ピッチでは無慈悲なまでのストライカーに豹変するヘンなヤツ。きっとHOYOでも、昨季プリンスリーグ九州得点王の実力を遺憾なく発揮してくれることでしょう。契約満了する今季末にはJ1昇格を決めたチームに戻ってきてもらえるように、大分も頑張らなくては。
チームはアウェイ連戦に向け、真夏のトレーニングを重ねています。今日は負傷離脱中のイ・ドンミョン選手もグラウンドに姿を見せました。練習終了後にすかさず気づいた小手川宏基選手が水風呂の氷を投げつけると、松葉づえをバットにして打ち返すあたり、元気そうで実に結構です。
今節対戦する愛媛は陣形を縦にも横にもコンパクトに保つ堅守のチーム。左サイドの前野貴徳選手と内田健太選手のコンビが積極的に仕掛けてきます。「だがストロングポイントはウイークポイントにもなる」という田坂監督が、そんな愛媛をどう攻略するか。ここ2試合の失点シーンを振り返り、守備の基本を再確認して、いい攻撃へとつなげたいですね。愛媛は立ち上がりの得点が多いので、集中して試合に入ることも大切です。
攻撃時における決まりごとを設定したことでいいポジションが取れるようになり、ボールに多く触れるようになってきたと手応えを感じている選手たち。「でも、そういった決まりごとはあくまでも共通理解のために設定しているだけ。それを守ってさえいれば点を奪えるというわけじゃない。全員でゴールに向かっていけ」。田坂監督の力強い言葉に鼓舞され、「うまく行かなくても続けていこう」とベテラン選手たちがチームをけん引して、J1昇格へ向け、たゆまぬ努力は続いていきます。
(大分担当 ひぐらしひなつ)
2012/07/27 20:56