1月21日、昨季限りの現役引退と京都サンガF.C.のブランドアンバサダー就任が発表されている安藤淳が、オンラインによる会見に臨んだ。
会見に先立って1カ月前までチームメートだった宮吉拓実から、「僕が16歳のときからアンちゃん(安藤)にはたくさんご飯に連れていっていただいて、本当にお世話になりました。チームに良い影響を与える、お手本になるアンちゃんの姿がもう見られなくなると思うと、とても寂しいです」とのメッセージが流され、照れ隠しの笑みを浮かべながら会見はスタート。
引退決断の経緯については、「最後に試合に出た甲府戦(J2第36節)で少し接触をして、肩の痛みやしびれる感覚があった。ずっとそういう感覚はあったけど、いままでなら次の日からは良くなっていた状態がどんどん悪化して…。『おかしいな』と詳しく検査してもらったら、12月の2週目ぐらいに脊髄の神経に傷があるという結果が出て、『(今後)プレーで接触したら、下半身が動かなくなるというリスクもある』と言われた。診断が覆るかもしれないと期待して病院に通っていたけど、強化部には『覆らなければ身を引こうと思う』という話をしていた」と説明した。
07年に京都でプロのキャリアをスタートさせた安藤は、14年にC大阪へ移籍後、松本、愛媛を経て、19年に京都に復帰。現役最後のシーズンとなった昨季は主将としてチームを引っ張ってきた。
2年前の京都復帰時の心境は、「一番思い入れのあるクラブだし、僕のキャリアがスタートしたクラブ。『できるだけサンガで長くプレーしたい』という思いだった」。そして、「やり切れなかった思いはめちゃくちゃある。自分が思い描いていた退き方ではない。悔しい思いだらけ。サンガをJ1に上げて、J1でプレーしたかった」と悔しさを滲ませながらも、「でも、サンガで(現役の)最後を迎えられたことはすごく幸せ」と話す。
第2の人生の出発点となるブランドアンバサダーの役割は、「日常的にSNSで発信することもそうですけど、行政としっかり連携をとりながら、スタジアムで何か催し物ができないかとか、京都サンガの価値を上げられる活動をどんどんしていきたい」とのこと。そして今後の目標を、「サンガスタジアム by KYOCERAを(観客で)いっぱいにしたい。選手の立場からすると満員のスタジアムが一番。それは間違いないので」と明かしていた。
(京都担当 川瀬太補)
2021/01/21 20:31