あす9月13日のJ1第16節・名古屋戦(ニッパツ)で、横浜FCの三浦知良がメンバー入りすることが確実となった。下平隆宏監督は「こういうチームが苦しいときだからこそ、カズさんの力が必要」とカズのメンバー入りを明言したといい、12日の練習後に本人に伝えたという。なお今季、J1リーグ戦でのメンバー入りは初めてとなる。
Jリーグの歴史が塗り替えられる瞬間が近づいている。
ここまでリーグ戦のメンバーにこそ入っていなかったが、8月5日のJリーグYBCルヴァンカップグループステージ第2節・鳥栖戦では先発出場。キャプテンマークを巻き、63分間プレーした。続く12日のルヴァンカップ第3節・札幌戦でもスタートから55分間全力でピッチを駆け回り、53歳という年齢を感じさせない元気な姿を見せていた。
それから1カ月のときを経て、ついにキングカズがJ1リーグ戦のピッチに立とうとしている。リーグ戦の出番に恵まれない中でも、練習では常にチームの先頭を走り、盛り上げてきた。その姿に指揮官も「本当に練習から一生懸命にやっている」とリスペクトの念を明かす。現在、チームにはけが人が多く、さらにリーグ戦3連敗中と苦境に立たされている。救世主としての役割を、誰よりも経験豊富なFWに託した。
カズがJ1リーグ戦のピッチに立てば、横浜FCが前回J1を戦った07年12月1日の最終節・浦和戦以来、12年9カ月12日ぶり。実に4,670日ぶりのJ1リーグでのプレーとなり、中山雅史(現・沼津)が12年の札幌時代に記録した45歳2カ月1日という最年長出場記録を“53歳6カ月18日”まで大幅に更新することとなる。
7月のリーグ再開前には「どんな状況でも試合に出て、勝利に貢献する。FWとしてゴールをする、アシストをする。そういうことを考えてやっていきたい」と話していたカズ。今季ピッチに立った2試合はともにアウェイゲームだった。横浜FCのサポーターにとっても、待ちに待った瞬間となる。
また、07年9月1日のJ1第24節・広島戦以来のJ1でのゴールを決め、現在、鹿島のテクニカルディレクターを務めるジーコ氏の持つJ1最年長得点記録(41歳3カ月12日)を塗り替えるとともに、宣言どおりの“一人カズダンス”が見られるかも注目だ。
文:須賀大輔(エル・ゴラッソ横浜FC担当)
(横浜FC担当 須賀大輔)
2020/09/12 13:01