外国籍選手や元JPFA会員を含む計59選手が参加したJPFAトライアウト2日目。12月17日午後の部では松本の主力CBとして、J1第6節・神戸戦以降、29試合連続フル出場を果たした飯田真輝も参加した。
1本目と2本目のCBとして60分間出場した飯田は、的確なコーチングで周囲を動かしながら、ラインコントロールにも奔走。ボックス内での危険な場面では体を張ったシュートブロックも披露し、「自分はこういうことをできるということを見せられた」。34歳での現役続行に向けては「火が消えていたらやめている」と話し、闘志みなぎるプレーの連続で、まだまだ第一線でやれることをアピールした。
9年半所属した松本ではJFLのカテゴリーも経験しているため、「カテゴリーにこだわりはない」。プレーするチームの希望を言えるならば、最も重要視するポイントは「地域密着で地元を代表するクラブ」でプレーすることだという。飯田がそう思えるようになったのも、松本でプレーし、「地域密着のクラブでプレーすることが自分のやりがいにつながった」ことが大きく関係している。飯田が言葉を続ける。
「ヴェルディにいたときは東京には複数のチームがあるし、いろいろな娯楽もあるので、サッカーにベクトルが向くことはなかなかないと思う。でも松本という地方クラブは、街を代表している存在だった。僕たちの勝利で街の雰囲気を変えることができるし、それがやりがいの一つ。昨年のJ2優勝では街が盛り上がったから、選手として周りに期待されるような環境でやってみたいと思っている」
奇しくも、契約満了を告げられた日は、反町康治監督が辞任を表明した日と重なった。反町監督が重要視していたセットプレーの得点力でキーマン役を担ってきた飯田の退団と反町監督の辞任が重複したことに“運命”めいたものを感じるが、「ソリさんがいなくなることで自分の契約満了もあり得る話」と飯田の覚悟は決まっていた。
「この決断がいい方向に進めばいい」と話した飯田。松本の近未来だけではなく、飯田自身の去就にも注目が集まる。
写真:郡司聡
(町田担当 郡司聡)
2019/12/18 09:52