新潟の早川史哉が、プロサッカー選手として再スタートを切る。
16年4月に急性白血病が発覚後、長期の治療を考慮したクラブの計らいで17年1月から一時凍結されていた選手契約を再開することが、12日に公式発表された。これを受け、13日に聖籠町のクラブハウスで、早川の復帰会見が行われた。
前日の発表を受け、SNSには祝福のコメントが殺到した。早川は「本当にうれしくて涙しましたし、たくさんの人が支えてくれていたんだと、あらためて感じました」と感謝の思いをかみしめた。同時に「周りからは『お帰り』『よかったね』という言葉をいただいたんですけど、僕自身、ここからがスタートラインだと思っています。これからプロの激しい競争を勝ち抜いて、もう1回チームに貢献できる選手にならないといけない。気持ちを引き締め直して取り組んでいきたい」とプロサッカー選手としての決意を語った。
早川は新潟ユース(現・新潟U-18)から筑波大へ進み、16年に新潟へ加入。センターバックとしてJ1開幕戦から3試合スタメンを勝ち取ったが、その後、体調不良を訴えて4月下旬に離脱。6月に急性白血病であることが発表されて以降、治療に取り組んできた。骨髄移植、抗がん剤治療を経て17年6月に退院すると、今年3月からは新潟U-18の練習に参加。6月からはトップチームへの練習にも時折加わるようになり、7月1日の本間勲引退試合に45分間出場するほどに回復した。
9月下旬からは毎日トップチームで練習するようになった。「サッカー選手としてのリハビリを開始しているなら、契約をスタートさせるべきではないか」という神田勝夫強化部長からの提案を受け、10月末の定期検診結果に問題がなかったことから、今回の契約再開にいたった(Jリーグ選手登録は未定)。
新潟ユース時代の恩師でもある片渕浩一郎監督は「プロ選手としてもう一度、踏み出せたことは喜ばしいが、再発するかもしれないという恐怖を背負っていることを理解しなければいけない」と気遣いつつ、「強い気持ちを持って、彼らしく誠実に前を向いてやってほしい」とエールを送った。
早川は17日に行われる明治安田J2リーグ最終節・山口戦で、デンカビッグスワンスタジアムに登場。2019シーズンパス受付ブースに立つほか、ピッチ上からサポーターに向けて挨拶を行う予定となっている。
(新潟担当 野本桂子)
2018/11/14 09:59