※見出しが「J1最終節」となっていました。現在は修正しています。謹んでお詫び申し上げます
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大分のMF馬場賢治がJ1自動昇格を目指し、大事な“友”を倒しにいく。
4チームが優勝の可能性を残しながら二つのJ1自動昇格枠を争う、白熱の今季J2最終節。2位の大分はアウェイで12位の山形に挑む。大分の主将・馬場は、この決戦をこの上ないシチュエーションで迎えることになった。
山形を率いるMF本田拓也は、桐光学園高時代の同級生だ。平塚生まれの馬場と相模原生まれの本田とが初めてグラウンドに並び立ったのは、二人が小6の年の県トレ。だが実は、運命の出会いはさらにその2年前にまでさかのぼる。小4の馬場が2歳上の兄の試合を見にいったとき、トイレにいこうとした折に、控え室でポツンと一人座っている選手と、ふと目が合った。知らない相手のはずなのに、なぜか印象に残ったその選手が、すでに上級生の試合に出場していた本田だった。
本田の中学時代のコーチが本田の母に馬場のことを「タク(本田)と一緒にサッカーさせたい選手が一人だけいるんですよね」と話したこともあったという。二人は県選抜で親しくなり、ともにセレクションを受けて桐光学園高に進学する。あらためて話してみると、小4のとき試合会場のバックヤードで目が合ったことを、本田のほうも覚えていた。
馬場が本田と組んだダブルボランチは「アイツが後ろで自分は前で、ほぼ縦関係」と、互いの個性に応じて明確に役割分担ができていた。そんな上々コンビの今季最終節での主将対決に、桐光学園OBのグループSNSは「どちらも先発すれば並んで入場することになる」と盛り上がりを見せているようだ。
「3年間、アイツより上にはいけなかった。いつもあと一歩だった」と、本田と過ごした高校時代を振り返る馬場。「人生で一人、二人くらいの巡り合わせを、いいヤツとできた」。かつての盟友を乗り越えた先に、悲願のJ1昇格が見えてくる。
(大分担当 ひぐらしひなつ)
2018/11/14 09:51