11月7日、キリンチャレンジカップに臨む日本代表メンバーが発表された。A代表選出の期待も高まっていた杉岡大暉だが、残念ながら今回は選出とはいかず、齊藤未月とともにU-21日本代表の活動に参加することになった。
発表直後の杉岡に「期待してたんじゃないですか?」と聞くと、「メディアの皆さんが言ってたので、期待はしちゃってましたけど(笑)」と苦笑いしつつ、いまの心境を語った。
「こんなチャンスもなかなかないし、やっぱり一度入ってアピールしたかった気持ちはあります。でも『なんで選ばなかったんだ?』と不満を持つこともないし、納得はしています」
今季も残すところ3試合となったが、わずかな期間でも残留争い真っ只中にあるチームの中では、杉岡のレベルアップは大きな後押しになる。それがA代表にもつながるはずだ。自身がレベルアップすべき要素を問うと「クロスなどの結果」を真っ先に挙げた。
「クロスの精度など、結果が一番必要だと思います。山中選手は結果を出している。その差を感じますね。逆に言えば、最後のフィニッシュ以外はJ1でも通用している自信がありますし、クロス以外にもまだまだやるべきことはありますけど、そこが一番だと思います」
クロスの数や質は、今季をとおして杉岡がこだわってきた部分でもある。抜ききらずにワンステップで上げたり、低く速いクロスとふんわりしたクロスを使い分けたりと、そのバリエーションは確実に増えている。しかし、本人はまだ難しさを感じているようだ。
「蹴り方、タイミング……なにか自分でコツやカンをつかんで見つけないといけないですね。ただ蹴ってるだけではうまくならない。自分の形を見つけたいです。それも難しいなと感じています。同じボールを使って、同じ靴を履いて、同じ芝のグラウンドでプレーしても、日によって自分のキックの感触も違いますし、ボールの感触も違う。サイドに入ってこんなにたくさんクロスを上げるのも湘南に来てからなので、まだまだ課題はありますね。サッカーは難しいなと日々感じています」
それでも名キッカーと呼ばれる選手たちは、どんなコンディションでも安定したキックを蹴ることでその地位を築いてきた。杉岡もその境地に立ち、A代表、そして世界に通用する選手へ成長することを願うばかりだ。
(湘南担当 中村僚)
2018/11/07 17:15