フアン・マヌエル・リージョ監督のサッカーの落とし込みが続く神戸。代表ウィークによる中断期間、プレス向けに公開されたオフ明け10日の練習以降は、完全非公開で4日間の練習に没頭。藤田直之は14日、「切り替えの質だったり、プレッシングだったり、質の高い練習ができている」と充実感をのぞかせた。
10日の練習で行われたのは、攻撃側が圧倒的に多い15対6のボール回し。コーチングスタッフからは「しっかり引き付けろ」の声が飛んだ。三原雅俊は「まずはボールを奪われないこと。少ない守備側を自分たちのところに引き寄せて、空いているサイドに展開する。テクニカルな頭を使う練習ですね」と振り返った。
″頭を使う″はリージョ監督のスタイルの原則になっている。藤田は全体の守備への取り組みについてこう話す。「よくないときは、どフリーで出されて前6~7人が置いてけぼりになることもあった。『ポジション、そこじゃないだろ。もっと絞れ。角度はこうだろ』とか、ポジショニングはより細かく指示されている」。あくまで守備は一例だが、さまざまな練習メニューから指揮官の哲学を吸収している状況だ。
さらに、第27節・浦和戦で[3-5-2]、第28節・鹿島戦は中盤フラットな[4-4-2]、さらに前節・長崎戦は中盤ダイヤモンドの[4-4-2]と採用したフォーメーションは異なった。対戦相手によってシステムが可変的なのも指揮官の特徴になっており、藤田は「一人ひとりが頭を使って考えながらやれないといけない」と集中力を高めている。
鹿島戦では左サイドハーフ、長崎戦では最前線を務めた古橋亨梧もまた、「けっこう頭を使うので、刺激になって、成長につながる」とポジティブに話す。「『一つのポジションにこだわらず、ほかのポジションもできるように』と言われている。フォーメーションが変わるので、自分のやり方も変わるのはやっぱり必要かもしれない。でも、自分のプレーを貫き通すことも大切。自分のやるべきことは変わらないし、FWなので結果を求めていかないといけない」と気合がみなぎっていた。
次節は首位・川崎Fとアウェイで戦う神戸。トレーニングの成果をぶつけたいところだ。
(神戸担当 小野慶太)
2018/10/15 14:59