牟田雄祐が存在感を高めてきた。プロ1年目からの3シーズンを過ごした名古屋では、J1リーグ戦56試合に出場。ディフェンスの軸になる選手として16年に鳴り物入りで京都へ移籍するも、新天地では苦難の日々が待っていた。股関節唇損傷の手術を行って加入1年目のシーズンを棒に振ると、京都での2年目となる昨季も状態が上がらず、シーズン後半は期限付きで移籍したJFLのFC今治で過ごすこととなる。
そして迎えた今季、対人守備能力の高さや機動性といった本来の持ち味を取り戻した牟田は、これまでJ2リーグ戦13試合に出場。現在は5試合連続で先発出場中と、チームに不可欠な存在となってきた。今季、京都が無失点で終えた4試合のうち3試合にフル出場している点からも、守備の安定化に大きく貢献していることがうかがえる。
ようやく定位置をつかみつつある現状に、「試合に出て反省できているのはいいこと」と手ごたえを口にする牟田。それでもすぐに、まだ成長が必要だと自戒する。「試合に出ているだけでは満足できないです。もっと勝利に貢献できるようにならないと。チームの戦術や規律がある中でも、個の質をもっと上げていかないといけないと思っています」
今週末に控えるJ2第37節で対戦する徳島は、バラル、ピーター・ウタカと、強力な外国籍FWを擁するチーム。恵まれた体躯を武器にする牟田にとっては、見せ場となるマッチアップが多いゲームとなりそうだ。「いまは相手より、自分にどれだけ集中してやれるかを意識しています」と強調しながらも、「だけど、自分の力を試すいい機会。思い切って、どこまで通用するかやりたいです」と続ける。
加入3年目にして本領を発揮し始めた才能豊かなザゲイロは、徳島の攻撃陣を封じ、自身の存在価値をさらに高めることをもくろんでいる。
写真:川瀬太補
(京都担当 川瀬太補)
2018/10/10 11:58