プロ3年目の遅まきデビューとなった1日の前節・山口戦(4〇0)を白星で飾った千葉のGK大野哲煥。待ち待ったチャンスをモノにした安堵感が表情を緩ませる。
素晴らしいパフォーマンスだった。中でも0-0で迎えた41分のビッグプレーが最大のハイライトだろう。相手シュートが目の前の味方に当たって軌道が変わったが、左手一本で見事に反応。ボールはバーをたたき、先制を許さなかった。
そのファインセーブを大野はこう振り返る。
「CKのこぼれ球でしたが、シュートへのポジショニングができていた。倒れていたら、反応できなかった。体を持っていったからこそ、タカさん(船山貴之)に当たっても反応ができました」
ポジショニングで勝負アリ。瞬時に判断し、準備を整えたからこそ生まれたセービングだった。直後には先制点が生まれ、結果的にそのワンプレーがゲームの分岐点となり、大勝を呼び込んだ。
それに加えて10試合ぶりのクリーンシートに、飛距離十分のキックからアシストをマークするオマケ付き。その上々のデビュー戦を隣県の広島から観戦に訪れていた両親にも披露でき、「喜んでくれていましたし、うれしかったですね」と最高の親孝行もできた。
ただ、「まだ1試合」と言うように慢心はない。試合後には「彼のおかげで無失点勝ちを収められた」と語る先輩・町田也真人から「1、2試合はいいプレーができる。3試合目、4試合目と続いてきたときに、落ちていく選手が多いので、そこを謙虚にやれば、どんどん成長できる」と声を掛けられた。
そのアドバイスに対する答えは、「確かにそうですね。続けていいパフォーマンスできることがすごく大事。しっかり頭に入れて準備します」。まずは9日の岡山戦。2戦連続クリーンシートでの2連勝―。理想を体現できれば、さらに道は拓かれる。
(千葉担当 大林洋平)
2018/09/07 19:24