15日のJ1第26節、神戸はノエスタでG大阪を迎え撃つ。前回対戦だった4月の第6節では、0-0のまま進んだ90+5分、藤谷壮のクロスを大槻周平(写真中央)が冷静に押し込む劇的ゴールで勝利を飾っている。
得点シーンを改めて振り返ると、今夏にそのG大阪に完全移籍した渡邉千真のニアへの走り込みも見逃せない。ストライカーとしてゴールへの強い気持ちを持つプレーヤーだが、この時、藤谷のラストパスに対して渡邉が選択したのは″スルー″。大槻は「珍しくカズマ君(渡邉)がスルーした」と笑顔を見せたが、チームメートに託した渡邉、それを結果につないだ大槻の一撃は、劇的な勝ち方と合わせ今季のハイライトとも呼べそうな印象的なシーンだった。
その渡邉が電撃的に移籍した後、ランチをともにする機会があったという大槻。「カズマ君、いまガンバにいますけど、変な感じですね(笑)。ガンバは降格争いをしているし、『そこから抜け出したい』って話してた」。″深紅″から″青黒″に着替えた渡邉に、大槻は新たなチャレンジの熱を感じ取ったようだ。
今季の大槻は、リーグ戦で上位争いを続ける神戸の躍進を支えてきた。正確な左足キックでアシストを重ねれば、持ち前の運動量とプレッシングでハードワークをけん引。1試合中に4つのポジションをこなすポリバレント性でも驚かせた。ただ、ここ最近は悩ましく、リーグ戦では第20節・FC東京戦に先発出場して以降はベンチスタートとなっている。
それでも、大槻に迷いはないようだ。「こういう時期は大事だと思っている」と受け止め、「外から見ることが多いぶん、客観的にチームの試合を観ることができている。どういうところがチームに足りないのか、自分が入ったらどうするかを考えて、今しかできないことをやろうとしている。運動量は必ず大事になってくるし、アタッキングサードに入ればどんどん仕掛けられるようにしたい」。
神戸は天皇杯ラウンド16・鳥栖戦を含め、公式戦3連敗中だが、「連敗した中で課題がハッキリ出た。それは前向きな課題として捉えることができているし、それをガンバ戦につなげることが大事」とポジティブにチームの総意を代弁する背番号33。そして、「まずは試合に出るために練習からしっかりアピールしたい」と意気込み、この中断期間のトレーニングを大切に取り組んでいる。
写真:小野慶太
(神戸担当 小野慶太)
2018/09/07 19:22