前節・甲府戦では途中出場ながら1ゴール1アシストと2得点に絡んだ山形のアルヴァロ・ロドリゲス。チームの連勝と7試合無敗達成に貢献したが、この活躍にはあるきっかけがあったようだ。
左ウイングバック・山田拓巳との交代でピッチに立ったのは、0-1とリードされていた77分。三鬼海の右クロスに飛び込み同点ゴールを挙げたのが85分、FKで小林成豪のゴールをアシストしたのが90分+3というのが終盤の流れだ。
[3-4-2-1]ではシャドーでプレーすることが多いアルヴァロ。この試合の交代直後は不慣れな左ウイングバックに入ったが、ゴールを決める直前に汰木康也とポジションチェンジしてシャドーに移動していた。それがクロスに対しゴール前に飛び込める一因になった。問題は、ポジションチェンジのタイミング。同点ゴールの5分ほど前に、アルヴァロは慣れないスローインの場面でファウルをとられていた。これがきっかけだったのか。
ベンチからポジションチェンジの指示を出した木山隆之監督に聞いてみると、「いや、全然」とそこは全否定した。「(汰木)康也を外に出したほうがフリーでドリブルできそうだった。それとクロスがチャンスになるというのはスカウティングでも言っていたので、クロスに突っ込めるのはアルヴァロのほうかなと。アイツ、めっちゃ突っ込むよ。すごくいい感覚をもっている」と戦術的な意図があったことを明かしている。
アルヴァロ本人に聞くと「スローインをミスしたので、あの時点で監督が『ヤバい』と思ってポジションを変えて…、そうじゃないと思うけど(笑)」とドゥグラス通訳を通してノリツッコミを披露したが、「監督は、クロスのときには逆サイドのシャドーが入ってということはいつも要求している」と木山監督の意図を汲み取り、結果につなげた。
自身のコンディションの問題や、シーズン途中での戦術やフォーメーションの変更などもあり、ここまでの出場は7試合にとどまっているが、「彼のよさは攻撃。そこでよさが出るようになるのは一ついいこと」木山監督も期待を寄せる。茶目っ気たっぷりのブラジル人が“助っ人”として活躍できる態勢がようやく整った。
(山形担当 佐藤円)
2018/06/21 18:52