前節、大分との首位攻防戦をドローで終えて2位を堅持した山口。この試合で65分から途中出場した高橋壱晟は、その22分後に途中交代でピッチを退いた。
試合後、悔し涙を流す高橋に、サポーターが高橋のチャントを歌って励ました。ベテランの坪井慶介は、涙を拭う高橋に寄り添い「ここからが大事だ」と鼓舞した。
この試合の翌日、山口は大分とトレーニングマッチを行った。一晩で気持ちを切り替えて試合に臨んだ高橋は2ゴールを挙げる。霜田正浩監督は「悔しい思いをした次の日に、同じような相手と戦って結果を出せたことに関しては精神的に逞しくなってきた証し。まだまだこれから伸びていってほしい」と大きな期待を寄せる。
今週の練習では、これまで以上に大きな声を出してチームメイトに要求し、ハードワークする高橋の姿があった。
「前節はああいう形だったけど、逆に吹っ切れた」と清々しい表情を見せ、「試合後のサポーターの歌は聞こえた。チームメイトもみんな励ましてくれて、チームのあたたかさを感じた。サポーターやチームメイトに助けられたので、その恩返しという意味でも良いプレーをして、『この試合があったからこういうプレーができる』という姿を見せたい。ここで折れたら弱い自分なだけ、やるしかない、ここからです」と高橋。悔しい思いを糧にして、山口での成長を誓う。
写真:松原純
(山口担当 松原純)
2018/05/25 18:46