愛媛の本拠地・ニンジニアスタジアムは、京都のルーキーにとって不思議と相性がいい場所である。昨季はFW大野耀平がJ初ゴールを挙げ、一昨季はMF沼大希がJデビュー戦での初ゴールを記録した。現・札幌のMF駒井善成も、ルーキーイヤーだった11年にこのスタジアムでJ初ゴールを決めている。
20日のJ2第15節・愛媛戦、京都はアウェイのニンジニアスタジアムに乗り込む。今季もルーキーのプレーに注目したいところだが、フィールドプレーヤー唯一のルーキーであるMF重廣卓也は初ゴールをすでに記録済み。そこで期待したいのが、もう一人のルーキー、GKの若原智哉だ。
若原は前節・徳島戦で先発に抜てきされ、プロデビューを果たしたばかり。試合は0-1で敗れたものの、18歳の若さに似合わず落ち着いたプレーを90分披露し、相手との接触で頭部に裂傷を負うアクシデントに見舞われながらも、何度も好プレーを見せていた。それでも本人は、「もっと落ち着いてできたはず。みんなは『よかった』と言ってくれるけど、僕自身では満足できる試合ではなかったです」と厳しく自己評価し、大物ぶりを見せている。
前節の出来を考えると、愛媛戦でも若原の先発は濃厚。ニンスタのジンクスを伝えると、笑顔でこう返してきた。
「そうなんですか? 自分も続けるとうれしいですね。今季はまだ(チームに)無失点の試合がないし、ここで無失点に抑えられれば、DF陣も喜んでくれると思う。ちょっとそれに期待しようかな」
J2最下位に沈んでいる京都だが、今節勝利すれば愛媛との順位をひっくり返すことができる。18歳のルーキーGKがチームを救うラッキーボーイとなれるか。先輩たちが結果を残してきたスタジアムでのゲームだけに、期待がもてる。
写真:川瀬太補
(京都担当 川瀬太補)
2018/05/17 18:48