12日に実施されたJ2第14節・熊本戦で横浜FCの武田英二郎がJ2通算100試合出場を達成した。
「今年始まるときに、どんなことがあっても『“100”はいかないといけない』と思っていました。それが最速の14試合で達成できて、しかも全部フル出場で出て達成できている。試合出場数を見れば自分が思っていたよりもうまくいっているかなと思います」
今季、横浜FCに加入し、すぐにタヴァレス監督から厚い信頼を寄せられるようになった。クロス精度は高く、守備でアタックができるため、SB、WBとしても欠かせない存在である。
しかし武田にとってここまでのキャリアは順風満帆ではなかった。11年に横浜FMでJリーグの門を叩いてから期限付き移籍を繰り返し、自身最多となる32試合に出場した福岡時代を経て、15年に湘南へ完全移籍。しかし、そこからの3年間はわずか4試合出場にとどまり、悶々としたシーズンを送った。「やっぱりいろいろありました。特に福岡を出てから湘南にいってからの(出場の)数字の伸びなさがヤバかった(苦笑)」。
ただ、「あの3年間があったからこそ」と武田は、湘南でさまざまなことを学び、吸収していった。それがいま横浜の地で存分に生かされている。そしてたびたび口にするのは「次出られる保証はない」という言葉。常に危機感をもってプレーしているからこそ、軽いプレーもなく明らかなミスも少ない。ここまでの14試合も波もムラっ気もない安定したプレーも、その謙虚な姿勢からも生んでいるのだろう。
浮かれず、真摯にサッカーと向き合うのは背番号17のよさ。さらに攻守で効果的なプレーでチームに貢献するため、「本当に1日1日を大切にしないといけない」と記録達成で再び、気を引き締め直した。
(横浜FC担当 高澤真輝)
2018/05/13 14:26