25日に行われた、松本とのJ2開幕戦。今季湘南から加入した横浜FCの武田英二郎が、子どもを腕に抱えながらピッチに足を踏み入れた。昨季の第5節・千葉戦以来、約1年ぶりのリーグ戦出場に、凛々しい表情を浮かべていた。
「去年やりかったけど、なかなかチャンスがなかった。家族も喜んでいたし、ああいう雰囲気で子どもと入場できるのは、なかなかないこと。個人的には、すごくうれしかった。あれで自分の集中が切れてしまうんじゃないかという恐怖もちょっとあったけど、意外と大丈夫でしたね(笑)。むしろ子どものために、と思えた。子どもの顔を見ると笑顔になってしまうけど、それを含めて試合に出るのは楽しいと、あらためて感じました」
実は試合前、「出られたら、今まで応援してくれていた家族や友達に自分のプレーを見せたい」と意気込んでいた武田。その言葉どおり、ピッチで躍動する姿がこの日の松本戦にはあった。守備でも安定感を見せ、左サイドを駆け上がっては強烈なシュートを放つ惜しい決定機もあった。得点・アシストこそなかったものの、サポーターの心もすぐにつかんでみせた。
それでも背番号17は“こんなものではない”と自らに言い聞かせる。
「悪いプレーはしていないと思うけど、勝ちたかったし、自分のプレーに納得もしていない。これからどんどんプレーの質を上げていって、チームも勝っていいければ、本当に楽しいシーズンになると思う」
まずは開幕先発をつかみ、いいスタートを切った武田。今節の岐阜戦も、家族、子どもからパワーをもらって全力で戦うだろう。そして「毎日を大切にして頑張る」ことで自らの成長を期している。
(横浜FC担当 高澤真輝)
2018/02/28 18:43