仙台は18日のJ1第32節・大宮戦以降の今季公式戦残り3試合に向け、2日より練習を再開した。早い段階で実戦形式の練習にも取り組んでおり、3日には数パターンのシュート練習がコンビネーション形式で行われた。
大宮戦まで約3週間の準備期間があることも考えればハイペースとも言えるが、渡邉晋監督は残された3試合を「相手(大宮、横浜FM、甲府の状況)どうこうに関係なく、勝つことに集中する」ため、実戦を意識した練習を多くしていくという。
指揮官は練習を始めるにあたり「この時期に試合がないということが、当たり前にならないように。試合がないから、この時期に練習することになったという悔しさを持っていこう」と、呼びかけたという。
Jリーグの日程では、3日はルヴァンカップ決勝戦の前日にあたる。今季は準決勝で敗退したことで、仙台には今週の公式戦日程も、その会場での前日練習や前夜祭参加の権利もなくなった。ニューヒーロー賞に選出された西村拓真(写真)が前夜祭で表彰されたり、クリスランに今大会得点王(5点)の可能性がまだ残っていたりという事実はあるが、チームとしては悔しさとともにこの週末を迎えることとなった。
また、1年前、昨年の11月3日は、昨季のJ1最終戦をホームでの敗戦で迎えた日だった。チャンピオンシップ出場権から遠い順位でシーズンを終え、天皇杯も早期に敗退した同年の仙台は、「この事態を招いたのは自分たち。これからを変えられるのも自分たちだ」と監督に呼びかけられ、11月も練習を続けて、続く今季に向けた戦術の“仕込み”をした。それから一年が経つこの時期、残された3戦で悔しさとともに成長を示すチャンスが残されている意味は大きい。
「ルヴァンカップ準決勝で負けてこの時期を迎え、現場のチームで、あの場所に立てなかった悔しさをともにしているところ。ひいてはクラブ全体が、これからタイトルを取るためにどれだけ本気になれるか。そういったことを考える良い機会になります」。残り3戦に向け、渡邉監督は言葉に力を込めた。
写真:板垣晴朗
(仙台担当 板垣晴朗)
2017/11/03 19:14