念願の目標達成まであと一歩のところまでやってきた。札幌が29日の鹿島戦(札幌ドーム)に勝利し、同時刻に浦和と対戦する広島が敗れれば、3節を残して降格圏内との勝ち点差が『10』となり、来季のJ1残留が確定する。
広島が敗れればという条件つきであることと、今節の対戦相手が首位・鹿島であるという状況ではあるが、いずれにせよ今季の絶対的な目標だった15位以内が十分に手の届くところまでやってきた。「残留を果たしたあかつきには、J1昇格を決めたとき以上にサポーターと一緒に喜びを爆発させたい」と開幕前からFW都倉賢は強く発してきた。もうひと踏ん張りで、それを果たし得るシチュエーションで今節を迎える。
ただし、四方田修平監督は手綱を強く握りしめる。前節は今季の敵地初勝利も果たしており「チームが成長してきていることは間違いない」と、目標達成が近づくなかであらためて手ごたえも口にしたが、「でも、残留争いをしているという立場はまったく変わっていない。その立ち位置をしっかり認識しなければいけない」と、開幕からここまでとスタンスが不変であることを強調した。
2008年、2012年と過去2度のJ1では、どちらも1年での降格を味わっている。それだけに、「J1定着」を中長期的な目標としている札幌にとって、まずはこの2017年シーズンにどんな形であっても残留を果たし、定着に向けての足掛かりとしたいところだった。それがいま、手の届くところまでやってきたが、「残り試合も死に物狂いで戦っていきたい」とも指揮官は続ける。
目標達成は近づいてはいるものの、まだ成し遂げたわけではない。札幌は最後の最後まで気を緩めることなく歩みを進めていく構えだ。
(札幌担当 斉藤宏則)
2017/10/27 19:31