前節、第14節の湘南戦。劣勢の中、前半ロスタイムのジウシーニョの得点で引き寄せた流れを完全に自分たちのものとしたのは、三門雄大のゴールだった。
58分、ジウシーニョの右からのパスをペナルティーエリア手前で受けた三門はワントラップのあと、迷うことなく右足を振り抜く。この場面を起点に、三門の頭の中を逆再生するとこうなる。
→→→「あの時間帯に追加点を取れればゲームを優位に進められると思っていた」
→→→「あのエリアで受けたら打とうと決めていた」
→→→「ゴールを奪える予感がしていたから」
→→→「(第12節の)松本戦あたりからペナ(ルティーエリア)の外や中にまで自分が侵入できる場面が増えていたから、そろそろゴールできるかな、と」
→→→「自分が前に出ていけたのは陣形がコンパクトになっていたからでもあるが、自分の気持ちに変化があったから」
→→→「最終ラインの前のスペースをケアすることではなく、攻撃に関与することのほうがいまのチームのためになるのではないかという考えに変わっていた」
→→→「後ろはケイスケ(岩下)やサネ(實藤)や堤に任せればいいし、功治さん(山瀬)も『カバーは任せろ』と言ってくれた」
→→→「そもそも僕は点を取れるボランチになりたいと思っていた」
三門の今季初ゴールを逆再生して分かったこと。それは仲間への信頼感と自らの理想像が始まりだったということだった。
(福岡担当 島田徹)
2017/05/20 10:51