
「チームの悩みが僕の悩み」。千葉に10年ぶりの帰還を果たした男のスタンスが、この言葉に集約されていると言っていいだろう。
MF羽生直剛、37歳。プロ16年目を迎えた元日本代表のベテランは今季、先発出場こそないものの、これまで4試合に途中出場。特に第3節・名古屋戦(2◯0)では57分からピッチに入ると、攻守に安定をもたらし、存在感を放った。
そして、それ以上に目を引くのがチームへの献身性だ。個人の結果よりも、「僕が出ても出なくても、勝っていくことが重要」と言い切る。
では名古屋戦以降、4試合勝ちのない現状は、チーム最年長の目にどう映っているのか。
「どんなサッカーをやる上でも、まとまっていなければいけない。それがいま、結果に結び付かないということは、やり切れていないということではないかと思っている。何とかして、ここを切り抜けたいという思いが強い」
だからこそ、羽生は結束をより強固にするための役割を行動で示す。「(紅白戦で)自分がサブ組になったとしても、スタメン組に『こうやると守りづらい』とか『こうやるとチャンスに思える』とかをできるだけ伝えるようにしている。こういう状況だからこそ、コミュニケーションを取るように心掛けている」。いつも年下のチームメートに目を配り、心を砕く。
今季の目標についての問い掛けには「クラブの(J1)昇格だけ。そのためにプレーし続ける」とキッパリ。帰ってきた背番号22の心中は、チーム愛に満ちあふれている。
(千葉担当 大林洋平)
2017/04/13 19:11