横浜FCは22日、GK北野貴之の獲得を発表した。北野は北海高出身で、札幌大を中退して03年に新潟入りし、06年にJリーグデビュー。新潟の正守護神として活躍後、10年に大宮へ完全移籍。14年末の大宮退団後、15年8月にC大阪と契約した。当時J2のC大阪での公式戦出場はなかったが、C大阪U-23でJ3リーグ戦7試合に出場している。
横浜FCは昨季に続き、GKは3人体制でシーズン入りした。しかし、正守護神の大ベテラン南雄太が開幕戦で負傷。第2節はユース出身で21歳の高丘陽平がゴールを守り、高卒ルーキーの市川暉記がベンチ入りしたが、その市川も練習中に負傷。第3節からは年代別日本代表にも選ばれている下部組織の大内一生をベンチ入りさせていた。大内はまだ高校2年生で、4月からは学校も始まり、U-17代表での活動もあることから、チームとしては経験と実績のあるGK獲得が急務となっていた。
北野は16年末でC大阪との契約を満了し、フリーとなっていた。その間、真冬の滝に打たれて修行したり、UAEのドバイを訪れ大宮時代のチームメート増田誓志に会ったり、アフリカのタンザニアやケニアを訪れ、「野生動物の(世界で)本物の弱肉強食の眼に遭う」傍ら、スラムでたくましく生きる人々や少年たちと交流するなど、現役続行へ自己研鑽を続けていた。今月は沖縄の石垣島で自主トレとともに、パワースポットでパワーを溜めるなど準備は万端。
北野はクラブを通じ、「今回、横浜FCさんから、ご縁、お話をいただき、心から感謝しています。自分が今日まで得た学びを横浜FCで生かし、チームの目標達成に際し、推進力となれるよう、覚悟し精進して歩みたいと思います。サポーターの皆さま、全国の応援してくださる皆さまのお力をお借りし、今季を素晴らしい形で終えたいと思います。どうぞよろしくお願いします」とコメントしている。
C大阪ではトップチームでの出場はなかったが、その熱い魂で昨季のJ1昇格を精神面から支えていたとも評価されるだけに、横浜FCにとって北野獲得は単なるGKの補充ではなく、J1自動昇格へ本気モードの補強と見ていいだろう。
(横浜FC担当 芥川和久)
2017/03/22 16:39